公式のPower Automateのサイトにあるライセンスがわかりにくいので、勝手にわかりやすい表を作ってみました。

注意書きですが、この投稿は2023年8月2日時点のものです。最新のライセンス情報は必ず公式サイトをご覧ください。

本投稿は公式なものではないので、あくまでも参考までとし、実際のライセンスについてマイクロソフトへお問い合わせください。この投稿内容の責任は持ちませんので予めご了承ください。

重要なのでもう一度書いておきます:実際のライセンスについては公式サイトを見るかマイクロソフトへお問い合わせください。

Power Automateのライセンス概要

まず、Power Automate のライセンスはいくつかの種類に分かれています。

プラン名 用途 課金単位 月額
Power Automate Premium ユーザーが無制限にPower Automateを作れるプラン ユーザー

1,880円

Power Automate Process 利用者は無制限でこのライセンスを割り当てられたクラウドフローや無人型RPAを実行するためのプラン。 ボット

18,750円

AI Builder Add-on 足りないAI Builder クレジットを補うためのアドオンプラン 組織

54,360円

Process Mining Add-on 足りないプロセスマイニング容量を補うためのアドオンプラン 組織

625,000円

Hosted RPA add-on MSホスト型RPAを実行するためのプラン

※アドオンのため単体での契約は不可なので、Power Automate Premium を1つ保有している必要がある

ボット

26,880円

クラウドフロー実行(従量課金) クラウドフロー実行ごとに発生する従量課金 1回

75円

アテンド型デスクトップフロー実行(従量課金) デスクトップフロー(RPA)実行ごとに発生する従量課金 1回

75円

非アテンド型デスクトップフロー実行(従量課金) 無人型デスクトップフロー(RPA)実行ごとに発生する従量課金 1回

375円

Power Automate for Office 365 Office 365を拡張するためのPower Automate。Office 365関連のサービスにのみ利用できる。RPA機能は含まれない。 ユーザー Office 365の
指定プランに含まれる
Power Automate for Dynamics 365 Dynamics 365を拡張するためのPower Automate。Dynamics 365関連のサービスにのみ利用できる。RPA機能は含まれない。 ユーザー Dynamics 365の
指定プランに含まれる
Power Automate for Power Apps Power Apps を拡張するためのPower Automate。Power Automate per user planプランと同じコネクタが使えるが、Power Appsで利用しているデータソースに限られる。RPA機能は含まれない。 ユーザー Power Apps
有償プランに含まれる
Windows 10 / 11 Power Automate for desktop が単体で利用可能。
クラウドフロー(Power Automate)との接続には Power Automate per user plan with Attend RPA が必要
OS Windows 10 に含まれる

Power Automateの旧プラン

プラン名 用途 課金単位 月額
Power Automate per user plan
with attended RPA
ユーザーが無制限にRPAを含むPower Automateを作れるプラン
Power Automate for desktop ・UI flow等も含まれます
ユーザー

5,000円

Power Automate per flow plan 組織がユーザー数が無制限で、Power Automateの業務プロセスフローを5つまで作れるプラン 業務プロセスフロー

12,500円

Power Automateのライセンス詳細

何ができる、出来ないは以下の比較表で見てください。

Power Automate
Premium

Power Automate Process

Power Automate
for Office 365

Power Automate

for Power Apps

Power Automate
for Dynamics

Windows 10/11

定価料金(月額)

1,880円

18,750円

Office 365・Microsoft 365
E1/E3/E5
Business 等に含まれる

Power Apps

有償プランに含まれる

Dynamics 365
の指定プラン
に含まれる

Windows 10/11のライセンスに含まれる

主な機能

フローの作成・実行


Office 365の
範囲内で


PowerAppsアプリまたは
アプリが利用するデータ
がトリガーの場合

Dynamics 365の
範囲内で

シンプルな承認ワークフロー
(申請・承認/却下)

複雑な承認ワークフロー
(差し戻し、承認ステータスの確認など)


(高度な作りこみが必要)

接続先・データ元

スタンダードコネクタをアプリで使う
(Sharepoint OnlineやOutlookなどのOffice 365系、

元々フリーで使えるクラウドサービス)

プレミアムコネクタをアプリで使う
(Azure、SalesforceやServiceNow、Kintone、
カスタムコネクタ、HTTPリクエストなど)

オンプレミスのデータをアプリやFlowで使う
(SQLサーバ、Oracleなど)

RPA・AI関連の機能

有人型RPAロボット(UI Flow)の実行

有人型RPAロボット(WinAutomation・Power Automate for desktop)の実行

無人型RPAロボットの実行

ロボットの管理

プロセスマイニング

 AI Builder

5000クレジット分を含む

¥¥
別途Power Automate

ライセンス とアドオンが必要

500クレジット分を含む


別途アドオンが必要

¥¥
別途Power Automate

ライセンス とアドオンが必要

 

Power Automate
Premium

Power Automate Process
 

Power Automate
for Office 365

Power Automate

for Power Apps

Power Automate
for Dynamics

Windows 10/11

管理・運用・統合機能

 環境の作成
(テスト環境・本番環境などに分ける、
US・ヨーロッパ・日本に分けるなど)

 新たに作られた環境でのアプリ・フローの作成・実行

 Microsoft Dataverse データベースの作成


1GBと引き換えに1環境


1GBと引き換えに1環境


PowerApps単体
としての利用は不可

 Microsoft Dataverse データベースへのアクセス

 Power Apps・Power Automateの管理用PowerShell、
コネクタの利用
(アプリの棚卸、アプリライフサイクル管理、
野良アプリの排除など)

 データ統合機能(ETLツール)の設定・利用

 データ損失ポリシー(DLP)の設定

 データ損失ポリシー(DLP)の設定内容の反映

容量

 Microsoft Dataverse のデータベース初期容量

10GB

10GB

 Microsoft Dataverse のデータベース追加容量

250MB

50MB

250MB

 Microsoft Dataverse のファイル初期容量

2GB

20GB

 Microsoft Dataverse のファイル追加容量

2GB

200MB

2GB

 APIコール回数(1日ユーザーあたり)

100,000回

500,000回

6,000回

40,000回

40,000回
(Team Member は 6,000回)

よくある質問集

Q)Office 365と比べて、なんでこんなに高いのでしょうか?
A)Office 365は言っても十数個のサービスです。Power Automateは5個のアプリでも100個のアプリでも同じ金額です。

Q)Power Automate per user planや per flow plan で作ったフローはOffice 365さえ持っていれば実行はできますか?
A)できません。Power Automateのコンセプトとして誰でも作成者になりうるため、実行と作成は分けてません。

Q)実行回数はそのユーザーが上限に達するとそれ以上使えないのでしょうか?A)実行回数の上限は2019年10月からなくなりました。

Q)Azure上のSQLサーバを構築した場合は直接SQLコネクタを使えるか?
A)Azure上でもIaaSのサーバに構築されている場合はSQLのポートを公開しない限り、オンプレミスデータゲートウェイが必要となります。

Q)Office 365のライセンスだけで野良アプリや勝手にアプリを作られないようにするなどの制御はできますか?
A)一部管理機能は利用できますが、Center of Excellence toolkitなどの管理ツールはOffice 365のライセンスのみでは設定できません。

Q)Office 365がないとPower AppsやPower Automateは使えないのですか?
A)単体でも購入できます。G Suiteと組み合わせたり、全然大丈夫です。

Q)APIコール回数は、テナントで共有されますか?
A)テナント単位ではなく、ユーザー単位です。1日で回数はリセットされるので、よほど間違った(または高度な)使い方をしない限りは、この回数には到達しません。

Q) RPAを同時並行で複数実行させる場合でも、1ボットとみなされますか?
A)見なされません。同時に実行する場合は、その実行分必要となります。

Q) RPAボットのオーケストレーション・管理機能はありますか?
A) はい。標準機能として、RPAを含むプランには含まれているため、別途管理用のオーケストレーションライセンス等はありません。

Q) Windows 10 または Windows 11のライセンスだけで、クラウド版のPower Automateフローと連携できますか?
A) いいえ、クラウド版との接続には、Power Automate per user plan with Attended RPA プランが必要です。

Q)Windows 10/11に含まれる Power Automate for desktop をUiPath や WinActor などの製品と同等のレベルと思って比較してもいいですか?
A)無料の Power Automate for desktop 単体でできることは限られているので、有償な UiPath や WinActor と比較して何の意味があるのでしょうか?有料版の Power Automate と比較してください。