Microsoft Power Platform は ローコードであらゆるデジタルソリューションが作成できる、Power Apps、Power Automate、Power Virtual Agents と Power BI の4つのサービスの総称です。この投稿ではより詳細に Power Platform についてと生まれた背景、各サービスの概要について紹介します。

なぜ、マイクロソフトは Power Platform を推進しているのか?

新型コロナウィルスが発生してからは、世界中でデジタル化の必需性は今まで以上に高くなりました。そして、従来のシステムは今、必要とされているようなデジタル化への必需性に対応していません。そこで、マイクロソフトは3つのテーマを掲げました

リモートワークへの移行:あらゆる種類の組織は、今日、複雑で困難な選択に直面しています。コストの削減、業務の再考、生産性の再設定、顧客の再エンゲージメント、リモート作業と開発のニュアンスの取り組みを目指しています。
Gartnerの調査によると、従業員の48%が現在のパンデミックをリモートで投稿すると予測されています。
新型コロナウィルス以前は企業の55%が効率化に焦点を当てており、その結果、変化には弱く、ビジネスは脆弱であるという事実によって、今は変革への耐性と変革そのものの必要性がさらに強まっています。

労働力の期待の進化:世界が急速に技術の進歩を受け入れ続ける中で、次の世代は、モバイルアプリやデジタル化されたサービスが日常生活を支配するデジタル中心の生活が当たり前となっており、デジタル化された、労働環境を求めます。実際、従業員の35%は現在、職場でより良いデジタル体験を求めるデジタルネイティブなミレニアル(2000年以降)の世代です。これに加え、オンラインでのエンゲージメントとデジタル化された業務の需要が増加しているため、私たちは、企業が従来の業務アプリケーションやシステムだけでは変革力を示すのに十分ではない状況となっています。実際、モバイル アプリの需要は、IT 部門が提供できる 5 倍の速度で増加しています。

景気後退:リモートワークへの移行と労働力の期待の変化に加えて、世界中の経済の状態は、企業にとって物事をより複雑で困難にしただけです。米国だけでも、2020年の国内総生産(GDP)は6.1%の縮小を見ており、第二次世界大戦終結以来最も深刻な不況となりました。92%のビジネスリーダーが、パンデミック後の世界で業務の自動化が事業を繁栄させるために必要だとに同意しており、デジタルトランスフォーメーションの必要性が高まってます。

従来の開発手法はもはや選択肢にも入らない

これから先5年間で開発されるアプリの数は5億個と推定されており、それは過去40年分と同じ数に匹敵します。デジタル化の必要性はかつてないほど明確になっていますが、4つ課題が出てきます。

技術人材の制限:新しいアプリケーションの需要は日に日に増加していますが、技術の世界は人材不足に直面しています。85%以上の組織が技術人材の発見に苦労しており、モバイルアプリケーションに対する需要はIT部門が提供できるよりも速いペースで増加しています。

ソフトウェア開発の基礎は時間がかかる:同時に、ソフトウェアとシステムの構築には時間とコストがかかります。要件の収集や開発から、技術的な制約や人材不足まで、ソフトウェアを内製化するには構築とメンテナンスに伴う高いコストが発生します。さらに、ゼロからすべてのプロジェクトを構築すると、付加価値が高くない開発工数に時間が消費されてしまいます。

デジタル需要の急増:デジタル技術の需要はここ数年で急増しており、新型コロナウィルスにより、更に速く、シンプルで、簡単に利用できるソリューションの必要性を高めました。技術に精通したソリューションの必要性は、業種や業態にまたがって存在します。企業は、データを理解し、業務を合理化するアプリケーションを利用し、従業員の支援と顧客サービスを提供するために、より良いシステムを必要としますが、企業が今日手元にあるIT部門の力だけでこれらの要求をすべて満たすことは困難になっています。

セキュリティとコンプライアンスのリスク:ソフトウェアを社内で構築すると、アプリケーションをシームレスに実行し、規制上の問題、ハッキング、データ侵害の脅威に直面しないように、広範な先行投資を必要とする多くのセキュリティとコンプライアンスに関する考慮事項がもたらされます。

このように、課題に立ち向かうには、日々深刻な課題に対処できる技術プラットフォームに合わせる必要があります。

ローコード開発はこれらの問題を支援できる

企業に必要なのは、あらゆる規模の組織がリアルタイムで迅速な開発に適応し、対応できるような、生産性の高いローコード開発プラットフォームです。

アプリケーションの爆発的な需要により、課題の中でも社外向けのためではないか、プロ開発者を雇って構築するには高価すぎるものは、既存の課題に埋もれていきますが、その数は何千もの潜在的なシナリオが存在します。ローコードはこれらの課題に対応するためのものです。まとめて考えると、ビジネスにとって意味のある価値を生み出すことができます。

すべてのユーザーをプロの開発者として育成したたり、社内でソフトウェアを構築することに多額の投資を行うのではなく、ローコード開発を採用することで、これらの課題に対処し、現在の企業能力を超える需要に対し、供給することができるのです。

Microsoft Power Platform とは?

従来であればプロの開発者でなければ作成できなかったアプリ作成や、コンサルタントでなければ導入が難しいRPA、データサイエンティストでなければ開発が困難な自然言語を用いたチャットボットなどを Microsoft Power Platform は、ローコードであらゆるデジタルソリューションを誰でも作成できるサービスです。すべての人が開発者になれる思想を基に、プロの開発者はより高度な事に注力し、オフィスワーカーだった人などは市民開発者として自らデジタルソリューションが作れるようになります。

Power Apps

ビジネス上の課題を解決するためのアプリを誰でも作成できるように

Microsoft Power Apps は、ローコード・ノーコードで作成できる、アプリ作成のためのプラットフォームです。「コネクタ」を用いて Office 365 のサービスはもちろんのこと、Microsoft 系のサービス以外にも接続し、そのまま作成したアプリから接続できます。

Power Apps では2種類のアプリが作成することができ、保存したいデータを軸に入力フォームや閲覧画面を自動で作成してくれるモデル駆動型アプリと、より高度なデザイン性を求められたときにクリックアンドドラッグでPowerPointのようにパーツを組み合わせることができるキャンバスアプリがあります。

Power Apps で主にできること

  • Power Apps を使用して、ドラッグアンドドロップ 操作でWebとモバイル用の画面を 迅速に作成
  • ワンクリックで iOS、Android、Windows と Web に全て対応したアプリをビルドし展開
  • 特定の業務、役割、および業界向けに最適化するために、アプリの詳細をカスタマイズ •プロ開発者が再利用可能なコンポーネントを作成して市民開発者と共有できるようにする
  • あらかじめ構築されたコネクタまたはカスタムコネクタを使用してデータに接続

Power Automate

業務プロセスを包括的に自動化

Microsoft Power Automate は、ローコード・ノーコードで業務を自動化・効率化するためのプラットフォームです。

Power Automate では主に2種類のフローが作成することができます。人気のクラウドサービスや、データベースに対してに接続先が用意されている「コネクター」を用いて様々なサービスと接続できるクラウドフローと、コネクタなどがなく、パソコン上の画面からアプリやウェブサイトの操作を自動化する場合(RPA)に使うデスクトップフローがあります。

Power Automate で主にできること

  • 統合されたRPA ワークフローにより、ビジネス プロセスを拡張および改善
  • 期日切れの業務にリマインドアラームを送信
  • システム間の業務データを定期的に移動
  • フローを作成し、他のPower Platformの利用者へ共有
  • Power Automate Desktop を使用して、Power Automate による自動化をオンプレミスの業務とタスクへ拡張

Power Virtual Agents

従業員と顧客の為のインテリジェントなチャットボットを数分で構築

Microsoft Power Virtual Agents は、自然言語処理や機械学習などの知識を持たずとも、チャットボットを簡単に作成できる、ローコードなチャットボットサービスです。

会話を設定するだけでなく、Power Automateを経由してコネクタを用いてることで、会話からアクションを実行したり、データをそのまま他システムから取得してきたりすることも可能です。

Power Virtual Agents で主にできること

  • コードやAIの専門知識を必要とせずに、強力なチャットボットを作成し、管理 •チャットボットを毎日使用する製品やサービスと簡単に統合
  • データを検索し、会話をパーソナライズし、会話を人間のエージェントに渡し、API の呼び出しも可能 •数百もの事前構築済みコネクタを選択したり、Power Automate を使用してカスタム ワークフローを構築
  • Microsoft Bot Framework で複雑なシナリオ作成することも可能
  • AIとデータ主導型の洞察を得て、チャットボットのパフォーマンスを監視および改善

Power BI

必要なデータをいつでも、どこでも、どんな方法でも

Microsoft Power BI は様々なデータ元からデータを統合し、より付加価値の高いデータとして、洞察を得られるようになります。パワフルなAIにより、自動でデータを分析し、傾向や予測も行え、データサイエンティストのような専門知識がなくとも深い分析が可能となります。

Power BI で主にできること

  • ローコードツールと事前に構築した形式を使用して、誰もがリアルタイムなダッシュボードとインタラクティブなレポートを作成可能
  • Excel表はもちろんの事、オンプレミスデータなどの数百のデータソースに接続
  • 美しいレポートを作成し、組織がWebやモバイルデバイスで使用できるように公開
  • セルフサービス分析を使用して組織の分析力と行動力を強化