Microsoft Power Platform の主要な機能の一つとして、「Managed Environments」(マネージド環境)をプレビューとして発表しました。マネージド環境は標準で様々なガバナンス強化機能を踏査しており、Microsoft Power Platform を大規模展開するにあたり必要なガバナンスをシンプルに且つ自動的に実現し、IT管理者がより管理しやすくなります。マネージド環境で提供される機能はプレビューとして公開します。管理者の方々は Microsoft Power Platform 管理センターからワンクリックでマネージド環境を有効化させることができます。今回の発表内容はまだ始まりにすぎず、今後様々なガバナンス強化機能を提供していく予定です。

世界中の何万もの組織が、現在提供されている業界最先端のセキュリティ、コンプライアンス、およびガバナンス機能を使用して、Microsoft Power Platformのローコードなアプリやフローの全社的な活用を管理しています。データ損失防止ポリシー(DLP)はデータの安全を守り、テナントレベルの分析は重要な可視性を提供し、Center of Excellence スターターキットはベストプラクティスのテンプレートを提供します。

しかし、これらのベストプラクティスを実施するには、多くの手作業と専門知識が必要であると従来は言われてきました。ガバナンスポリシーの設定、ユーザー権限の設定、分析結果の取得と共有など、IT管理者はリソースと時間に制約があります。このような複雑さは、ガバナンス戦略を組織全体に展開するにあたり、導入が進みにつれて急激に増大します。

このような課題に対処するため、マイクロソフトは、ローコード資産管理を大規模に行うためのプレミアム管理機能を備えた、すぐに使えるシンプルさを提供する、新しい取り組みに着手しています。「Managed Environments for Microsoft Power Platform」は、大規模なガバナンスの合理化と自動化、ITの信頼性向上、およびITの負担軽減を目的として設計されています。管理者は、数回クリックするだけで、どの環境にでもマネージド環境を有効化でき、すぐに、より多くの可視性と制御を得ることができ、より少ない労力で、すべてのローコードの資産を安心して管理することができます。

管理者用のダイジェストによる可視化の向上

組織のローコードアダプションを俯瞰的に把握することは、プラットフォームを管理する上で非常に重要です。プレビューでは、管理者は毎週管理者ダイジェストを受け取り、しばらくの間アクティブになっていないアプリやフローなどを特定し、導入に関する情報を積極的に得ることができます。Datalake を別途構築して独自の検出アルゴリズムを構築する必要がなく、これらの能動的な通知と推奨事項が受信トレイに直接届くため、古くなったアプリをより簡単に隔離したりクリーンアップしたりすることが可能になります。

マネージド環境では、毎週ダイジェストメールが配信され、能動的な通知と貴重な洞察を提供します。

共有制限による管理強化

管理者は、データやシステムを安全に保ちながら、同時に作成者が会社のデジタル変革に参加できるよう、適切な管理を必要としています。マネージド環境 は、セキュリティグループを利用した共有をブロックしたり、キャンバスアプリを共有できる人数を指定したりする簡単な方法を提供します。このような共有コントロールにより、管理者は、アプリが社内に広く配布される前にレビューできることに安心感を持てるのです。

簡単なアクティベーションで労力を削減

これまでに何千もの組織が Center of Excellence(COE)ツールキットを採用し、多くのお客様が分析や高度なガバナンスワークフローのための独自のカスタムソリューションを開発してきました。

例えば、共有を管理するために、多くの人と共有されているアプリを特定し、ブロックするワークフローを設定した組織もいます。しかし、マネージド環境を使えば、わずか数回のクリックで、こうしたことをすべて能動的に実行することができます。管理者の時間と労力を節約し、IT部門が大規模なローコードアセットをより効率的に管理できるよう、マネージド環境は今後さらに独自のガバナンス機能を追加していく予定です。

必要なライセンス

マネージド環境は、Microsoft Power Platform の有償プランをすでに活用しているしているお客様にとって素晴らしいオプションです。既存の単体の Power Apps および Power Automate ライセンスに含まれており、追加のライセンスは必要ありません。選択した環境でマネージド環境を有効にすると、その環境でアプリやフローを実行するユーザーは、それぞれPower AppsまたはPower Automateのスタンドアロンライセンス(アプリごと、ユーザーごと、または従量制など)が必要になり、 Microsoft 365 および Office 365 のプランのみ利用されている方は、マネージド環境は利用できません。

マネージド環境は、スタンドアロンライセンスに新たなメリットを追加し、これらの既存のプレミアムライセンスに時間の経過とともに価値を高めていきます。700以上のプレミアムコネクタとDataverseの豊富な機能へのアクセスに加え、お客様はボタンをクリックするだけで、ローコードを大規模に管理するための標準装備のガバナンスのベストプラクティスを手に入れることができます。

マネージド環境のプレビュー

マネージド環境のプレビューは 2022年7月11日から開始されました。Microsoft Power Platformの管理センターから、環境を選択し、「マネージド環境を有効にする」をクリックするだけで有効になります。

これは、IT管理者がより少ない労力で、より多くの可視性と管理を得られるようにするための、新規機能の始まりに過ぎません。今後リリースされる予定のマネージド環境の機能は、ローコード管理者に提供される可視性と制御性を高め続け、管理者がより少ない労力で Microsoft Power Platform の採用を管理できるようにします。