マイクロソフトは2016年4月28日にバックアップなどの保存用途向けに新しいAzure Blobストレージタイプとして、「ホット」と「クール」オプションを追加したことを発表しました。

従来のプラン体系では、「ホット」や「クール」といったプランは存在せず、使用サイズとバックアッププランの種類のみの価格体系となっていました。

オプションが提供されたことにより、使用用途に応じて、プランを設定でき、ストレージ費用を抑えられるようになりました。

 

プランの比較

プラン・機能 ホット クール
保存費用 高い 安い
データ読込 無料 有料
データ書込 無料 有料
稼働保証率(RA-GRS以外) 99.9% 99%
稼働保証率(RA-GRS) 99.99% 99.9%

 

2016年5月2日時点の価格(従量課金プラン・東日本)は以下の通りです。

データ保管費用 LRS   GRS   RA-GRS  
(1GB当たり) COOL HOT COOL HOT COOL HOT
最初の 100 TB / 月額 ¥1.53 ¥2.45 ¥3.06 ¥4.90 ¥3.83 ¥6.22
次の 900 TB / 月額 ¥1.53 ¥2.37 ¥3.06 ¥4.72 ¥3.83 ¥6.01
次の 4,000 TB / 月額 ¥1.53 ¥2.27 ¥3.06 ¥4.55 ¥3.83 ¥5.78

 

データトランザクション費用 LRS   GRS AND RA-GRS  
COOL HOT COOL HOT
BLOBやブロックの配置、リスト、
コンテナの作成(1万回あたり)
¥10.20 ¥5.10 ¥20.40 ¥10.20
削除以外のその他の処理(1万回あたり) ¥1.02 ¥0.41 ¥1.02 ¥0.41
データ読込 (1GBあたり) ¥1.02 無料 ¥1.02 無料
データ書込 (1GBあたり) ¥0.26 無料 ¥0.51 無料
ジオレプリケーションデータ転送 (1GBあたり) N/A N/A ¥9.18 ¥9.18

※最新の価格表はマイクロソフトのサイトをご覧ください。

 

発表内容

以下は、Azure開発チームブログの記事「Introducing Azure cool storage」を抜粋し、翻訳してます。

クラウド上に格納されているデータの量は年々速いペースで増加しており、このデータの管理コストに我々は着眼してました。ストレージの管理コストにおいて重要なポイントとして、データの種類をアクセス頻度、保持期間などの軸として分けることです。データの種類として、レスポンスやパフォーマンスを維持しつつ、アクセス頻度が低いデータを「クール」なデータとして分別できます。

本日より、クールBlobストレージ(Cool Blob Storage)を一般公開します。「クール」なデータをより低い費用で維持できます。使用例として、バックアップやメディアコンテンツ、科学的データやアーカイブ用途のデータです。一般的に、1か月以上アクセスが必要でなく、長期間保管が必要なデータはクールストレージが適しています。

 

Cool Blob Storageの作成方法

まずAzure Portalから、新規で「データ+ストレージ」の中の「ストレージアカウント」をクリックします。

 

名前を入力し、デプロイモデルは「リソースマネージャー」を選択します。

アカウントの種類は「BLOBストレージ」を選択します。※汎用にすると、ホットとクールは選べません。

 

アカウントの種類を変更すると、「アクセスレベル」の項目が表示され、「クール」と「ホット」が選択できるようになります。

情報元: https://azure.microsoft.com/ja-jp/blog/introducing-azure-cool-storage/