Azure 仮想マシンにGPUを搭載した新サイズ「Nシリーズ」のプレビューがリリース

MicrosoftはAzure 仮想マシンに新しく「Nシリーズ」を追加したことをAzure開発チームブログで2016年8月4日に投稿しました。以下はその発表内容を一部抜粋し、和訳したものです。

本日は、我々はパブリッククラウドとしては、最速のGPUを搭載する、Azure Nシリーズの仮想マシンをプレビューとしてリリースしました。NシリーズのインスタンスはNVIDIAの最新のGPUを搭載し、グラフィックアクセラレーションのワークロードやビジュアライゼーションが可能となります。これらの強力なサイズはAzure上の柔軟性と合わさっており、分単位での支払いが可能です。

Nシリーズの仮想マシンは2種類のカテゴリに分類されています。NCシリーズ (compute-focused GPUs)では、HPC等の重い算出処理が実行できます。このプランでは、Tesla K80 GPUが採用されており、パブリッククラウドとしては、最速の算出用GPUです。更に、他のクラウドサービスとは違い、これらのGPUには、ディスクリートデバイス割当機能（DDA）が搭載されているため、ベアメタルに近いパフォーマンスが得られます。これにより、値の算出がCUDAによってより早く演算できるようになり、追突シミュレーション、ライントレースレンダリング、ディープラーニングなど、様々なシナリオで利用できます。Tesla K80には 4992 CUDA コアが搭載されており、デュアルGPUデザインのため、2.91 テラフロップスの倍精度処理、または8.93 テラフロップスの単精度処理が可能です。以下がTesla K80 GPUが採用されているプランです：

演算に注力されたNCシリーズに加え、NVシリーズはビジュアライゼーションに注力されたプランです。従来、クラウドサービス上でHPCを利用し、生成されたデータを活用するシナリオでは、データ移動は難しいとされていました。このAzure NV-シリーズでは、仮想デスクトップや、デスクトップアクセレレーテッドアプリケーションなどでTesla M60 GPUとNVIDIA GRID in Azureが利用可能になります。これらAzure上の強力なビジュアライゼーションGPUにより、グラフィックインテンシブな業務がビジュアライズでき、上級のグラフィックス機能が得られ、エンコーディングや、レンダリングなどの単精度処理が実行できます。Tesla M60 はデュアルGPUデザインで4096 CUDA コア搭載し、最大36本の1080p H.264を同時にストリームできます。以下がTesla M60 GPUを搭載するサイズです：

我々はNVIDIA とパートナーシップを組んだことにより、これら機能をAzure上で提供可能となり、仮想マシンで最高のパフォーマンスを提供できるように我々は最適化しました。

“Azure N-シリーズは現代におけるダビンチやキュリー、アインシュタインにより、よりGPUコンピューティングの利用を簡単にし、世界中で一番難しい問題の解決に利用できます。400以上もの産業アプリケーションはNVIDIA GPUによって実行され、MicrosoftとNVIDIAは世界で一番要求の高いユーザーたちに、シミュレーションや人工知能、高度なビジュアライゼーションを提供しています。” – Ian Buck氏, VP of accelerated computing, NVIDIA

プレビューは南中央アメリカ（South Central US）リージョンから開始され、これから先数ヶ月でより多くのリージョンでも利用可能となり、年度末までには一般公開する予定です。

ご興味がある場合は、プレビューへの登録をお勧めします。Nシリーズについての詳細な技術情報や利用方法については、Channel 9 動画をご覧下さい。価格はVirtual Machines 価格ページにてご覧頂けます。

情報元: Azure N-Series preview availability