Microsoft Ignite 2016で発表されたAzure関連情報のまとめ
9月26日から開催された、マイクロソフトのイベント、Ignite 2016では、様々な新機能やサービスの発表が行われました。この記事では、その中でもAzure関連の記事のまとめ記事がマイクロソフトのAzure開発チームのブログより投稿されていましたので、そちらを和訳しました。
過去数年間でAzure開発チームをリードしてきたことは、信じられないほどすばらしい体験で、様々なことを教えてくれました。企業のお客様と打合せをすることで、「より素早く、より柔軟に市場へ提供するにはどうすればいいのか?」「保有するアプリをどのようにモダン化できるか」「現在保持しているものをどのように維持管理すればいいか」「セキュアに管理する方法は?」等、IT部門(我々のも含め)における日々の課題より深く理解することができました。これらの課題には、IT独特の機会として、ITをビジネス戦略に結びつけることができるのです。そして、クラウドはこれらの課題を今まで以上に実現してくれるテクノロジーなのです。
Azureは「グローバル」、「信頼性」、「ハイブリッド」の主な軸を基に、企業向けに設計されたクラウドプラットフォームです。Azureのインフラストラクチャーは、34のグローバル拠点にあり、AWSと比較すると2倍ものリージョン数から選択でき、データにおける独特の主権を提供しています。47個のコンプライアンス認定などにより、Azureは世界で一番遵守した、ハイパースケールなクラウドです。我々が思うハイブリッドITとは、オンプレミスへの投資がAzureと継続的に動作するということを意味しており、ハイブリッドITはただ単にデータセンターとクラウドを結びつけるだけでなく、保有されているすべての環境において、統一されたものであると考えます。Azureにおけるすばらしくこととは、お客様に非常に大きな価値を提供できることです。Wal-Mart、BMWやEcoLab等のFortune 500にランクインする機能から、SolutoやLinukury等のスタートアップまで、我々のお客様はコストを抑え、より柔軟になり、彼らはビジネスを変革しているのです。
今週のIgniteでは、様々な新しいAzure機能を発表し、あなたは共通のテーマをご覧いただけるかと思います。そのテーマとは、「クラウドインフラストラクチャー、セキュリティ機能、包括的な管理、そしてオープンソースに対する世界クラスのサポートによる、ITの活用です」
IT変革に必要なインフラストラクチャー
Azureのグローバルに配置されたすばらしい演算能力を持つデータセンターを利用できます。あなたがご利用されるすべてのワークロードにおいて、実行内容問わず、必要なパフォーマンスとスケーリングを提供したいと考え、我々は本日、これらについての様々な発表をします。
新しいコンピュートプラン – ストレージが最適化され、最速のCPUを持つSAP HANA
我々はみなさまの独特のアプリケーション要求を満たすために、新たな仮想マシンとコンピューティングプランを提供します。LシリーズとHシリーズでは、SAP HANA向けに特化した、大きなインスタンスとなっております。これらによって最近追加されたGPU演算処理ができる最先端のNシリーズに加え、更に提供範囲を拡張します。
- Lシリーズ – Lシリーズはストレージが最適化された仮想マシンで、レイテンシが低く、高いスループットが要求されるような大容量のローカルディスクストレージを提供し、NoSQL(例として、Cassandra、MongoDB、Cloudera やRedis等)や、データウェアハウス等のアプリケーションに最適化されています。IntelのHaswellプロセッサー(Intel® Xeon® プロセッサー E5 v3)を搭載し、Lシリーズでは、最大6 TBのローカルSSDが搭載可能で、最高のストレージパフォーマンスを提供します。Lシリーズは数週間後に提供予定です。
- Hシリーズ – 我々のコミットメントとして、最適なテクノロジーを市場へ提供するため、Hシリーズでは、パブリッククラウドのなかで最速のCPUとRDMA with InfiniBandが搭載されているため、数値流体力学や 車両衝突試験、ゲノムや分子研究など、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)を必要とするアプリケーションに適しています。HシリーズのVMでは、簡単にオンデマンドでHPCインフラストラクチャーを提供し、より素早くインサイト情報が得られます。
- SAP HANA向けの大きなインスタンス – 我々のコミットメントとして、最大級の業務アプリケーションを実行可能にするため、我々はSAP HANA向けに特化した、大きなインスタンスを発表しました。これらの用途特化型のハードウェア構成により、最大級のSAP HANAをパブリッククラウドで実行できます。3TBまでのSAP HANAシナリオに対応し、スケールアウト型のOLAPデプロイメントでは、32TBまでのRAMを利用可能です。
- Nシリーズ – 8月に、我々は新たにGPUが搭載された Nシリーズのプレビュー版をリリースしました。視覚化に特化したSKUと、演算処理に特化したSKUの2種類を提供を開始し、これらVMサイズはデスクトップグラフィカルモデリング・レンダリングや、深層学習の演算モデルなどで比較できないほど高いパフォーマンスを提供します。
更にオープンな選択肢
Azureはオープンなプラットフォームで、オープンソースへのサポートをリードするために深く関わっています。現在、3台に1台のAzure上でデプロイされた仮想マシンはLinuxが動いています。このLinuxとオープンソースをAzureで実装する強い勢いは、我々の継続的なイノベーションと、実証できるほどのコミットメントから来ています。Johnson Controls社やKPMG社などの企業は、オープンソースを実行し、コンテナやビッグデータソリューションを使ったモダンなアプリケーションアーキテクチャを利用するために、Azureを活用しています。2週間前には、非常にスケーラブルでクラウドネイティブなアプリケーションを開発するためのマイクロサービスプラットフォーム、Service Fabric on Linuxのプレビュー版を我々はリリースしました。お客様はLinuxを利用したサービスファブリッククラスターをAzure上でホストし、Javaアプリケーションをこれらクラスターに展開することができます。
今週、我々は更にオープンソースやLinuxソリューションに対するサポート範囲の地域を広げ、Azure Government向けにはRHEL(Red Hat Enterprise Linux)をオンデマンドでの提供を開始しました。我々は更にSAPアプリケーション向けのRHELサポート (NetWeaver と HANA) も追加します。プラットフォームから管理ツールまで、我々は開発者やシステム管理者、そしてお客様へ素晴らしい体験を提供することへコミットしています。
新たなネットワーク機能
Azureは豊富なネットワーク機能を提供しており、最高性能のネットワークと、アプリケーションのための豊富な選択肢が用意されています。そして本日、我々は様々な新しい機能を発表します。
- IPv6 support – IoT(モノのインターネット)による爆発的な成長によって、今まで以上にコンプライアンスへの対応や、未来へ対応できるアプリケーションを整えるために、IPv6の需要は今まで以上に増加しています。本日、我々はAzure上の仮想マシンにおける、IPv6への対応をリリースしました。
- Azure DNS – 我々はDNSサービスをあなたのアプリケーションやクラウドインフラストラクチャーの近くでホストすることにより、スピード、信頼性と利便性をAzure DNSという形で提供し始めました。本日、我々はこのネットワークサービスを一般公開します。
- 加速化されたネットワーク(Accelerated Networking) – 今まで以上により早いパフォーマンスがアプリケーションへ求められるようになり、我々はプレビュー機能として、仮想マシンを最速のネットワークパフォーマンス(最大で25Gbps)の環境へ接続できるようにします。FPGAによって可能となる、ネットワークスループットと低レイテンシーのネットワークは、本日よりパブリッククラウド環境でご利用頂けます。
- ウェブアプリケーションファイアウォール
(WAF) – アプリケーションゲートウェイサービスの機能としてWAFが加わることにより、アプリケーションセキュリティにおける機能を、大幅に改良します。 - 新しい仮想ネットワーク 機能(例としてピアリング)により、アクティブ-アクティブVPNゲートウェイや、ExpressRoute向けの新しいウルトラパフォーマンスゲートウェイが利用可能となり、ネットワークトポロジーや様々なネットワーク環境を構築する際により強力な方法で対応できるようになります。
ハイブリッドクラウドの可能性
現在、80%以上もの企業がハイブリッドクラウドを採用しており、企業の実態がよくわかります。今までの過去数十年間の企業とのパートナーシップにより、我々はIT全般における均一で包括的な真のハイブリッド環境がいかに重要なものであるかを理解しています。本日、我々はAzureの力をみなさまのデータセンターでも提供すべく、Azure Stack Technical Preview 2をリリースし、Azureマーケットプレイスや、Key Vault等のセキュリティ機能を直接データセンターで利用可能となることで、クラウドから生まれ、実証されているイノベーションを提供します。
更に我々はクラウドファーストからの発明をオンプレミスデータセンターや他のクラウドで利用可能なService Fabric for Windows Serverを一般公開します。このリリースでは、マイクロサービスベースのアプリケーションにポータビリティと柔軟性を加えました。このスタンダロンサービスはオンプレミス環境や他のクラウドサービスのWindows Serverへランタイムとしてインストール可能です。
多くのお客様はAzureを企業内でのバックアップと災害復旧の用途で採用頂いています。Azureと連携した、リッチなストレージパートナー環境に加え、我々は更にAzure StorSimple Virtual Arrayを遠隔や支社向けに提供し、Azure StorSimple 8000 シリーズをハイブリッドクラウドストレージとして、データセンター向けに提供します。我々は更にデータ変換サービスを提供することにより、StorSimpleのバックアップデータをBLOBやディスク等のAzureネイティブなフォーマットで利用可能となります。これによりお客様はMedia ServicesやSearch、Analytics、カスタムアプリケーションでも簡単に業務要件を満たすことができます。
新たなAzure SQLデータベース機能強化
我々は一時テーブル機能をAzure SQL データベースで一般公開しました。一時テーブル(Temporal Tables)は、アプリケーション開発の生産性を向上させるために設計されています。一定時間でのデータ分析に集中することができ、宣言型クリーンアップポリシーにより、履歴データの保持期間を管理できます。更に、カスタマイズコーディングをせずともAzure SQLデータベース内における、過去のデータ変更履歴を追うこともできます。
インフラストラクチャーの保護
セキュリティはクラウドを導入するお客様に取っての一番の懸念事項です。我々は継続的に進化し、複雑化しているサイバー攻撃から保護することは非常に難しく、断続的なプロセスであることを把握しています。我々は自信を持って、信頼性とセキュリティはAzureプラットフォームの基礎であることが言えます。我々は最大のコンプライアンスポートフォリオを持ち、非常に規制されている金融サービス業でもAzureが利用されており、全世界の85%前後の大銀行はAzureのお客様です。我々はみなさまに信頼頂けるクラウドを構築するため、多く金額を投資しており、本日、我々のプラットフォームを更に支える主なセキュリティ機能について新たに発表いたします。
コンプライアンスポートフォリオの強化
我々のポートフォリオに以下が新たに加わることにより、更にコンプライアンスを強化します
- ISO 22301認証 – ハイパースケールクラウドサービスプロバイダーとして、Azureが唯一、事業継続管理における、公式な認証を受け、破壊的事故発生時における事前処置、対応、復旧方法についての内部ガイドライン提示できています。
- EU-US プライバシーシールドフレームワーク
– Microsoft はクラウドベンダーとしてEU国民の個人情報保護のためのEU-US プライバシーシールドフレームワークに初めて適合し、我々のプライバシーに対するコミットメントを表しています。 - IT-Grundschutz ワークブック – Azure はGerman Federal Office for Information Security (BSI)の情報保護基準を満たすためのセキュリティとコンプラアインスガイドライン「IT-Grundschutz」を新たに提供しました。
Azure セキュリティセンターの強化
我々は継続的にAzure Security Centerを強化し、無類のセキュリティ監視と管理機能を今年の初めから 一般公開し、提供しています。
- セキュリティセンターを利用することで、お客様は継続的なセキュリティ調査の成果を得られます。本日より新たな分析機能が利用となり、内部脅威の検知、セキュリティが破られた環境での継続的な攻撃、DDoSやブルートフォース攻撃等の更なる攻撃を検知することができます。
- セキュリティインシデントは現在プレビューとして提供されており、パートナーソリューションからのアラートを含む、様々なアラートを収集することができます。
- Threat attribute レポートは、攻撃者についての貴重な情報を提供できる機能を内蔵し、脅威に対し、より素早く対応することが可能になります。
- セキュリティセンターは更に、Qualys社などのパートナーが提供する、連携された脆弱性診断へのサポートを開始し、ウェブアプリやストレージアカウントに対するセキュリティ診断が可能となりました。
Azure Key Vaultが証明書に対応
クラウドリソースやデータをセキュアにするAzure Key Vaultは、証明書もサポートすることにより、SSL/TLS証明書に関連するタスクをよりシンプルにします。このサービスはサポートされている第三者証明書発行機関からの更新された証明書を自動的に更新することでお客様を支援し、同時に監査証跡を同一の環境で提供します。我々が業界パートナーと提携することにより、一般公開時では、以下の証明書発行機関へ対応します:Digicert、GlobalsignとWoSign
暗号化サービスの一般公開
以下の暗号化サービスを一般公開することにより、我々はお客様のデータを保護し、要求されているセキュリティやコンプライアンスの組織要件を満たします。
- WindowsとLinuxのスタンダード仮想マシンでAzure Disk Encryption を提供することにより、お客様はOSディスクとデータディスクが安静時にエンタープライズスタンダードの暗号化技術を利用して、保護することが可能となります。
- 2週間前、我々はAzure BLOBストレージ向けのストレージサービス暗号化機能(Storage service encryption)を 一般公開しました。暗号化が有効化されたアカウントでは、データは暗号化アルゴリズム、256ビットのAdvanced Encryption Standard (AES-256)で暗号化され、Microsoftによってキーが管理されます。
クラウドからの管理
クラウドインテリジェンスとクラウドスケーラビリティによって、管理方法においての選択肢が広がります。Azureの柔軟性を活かすことで、Azureリソースの活用率とパフォーマンスを詳しく関しし、分析することができます。本日、我々はプレビュー機能としてAzure Monitorを公開し、Azureリソースでのパフォーマンスや使用率データ、活動状況、診断ログや通知機能を収集し、より詳しいインサイト情報を提供します。オンプレミス環境、Azure環境、もしくは環境を跨いだ場合でも、統一された表示とツールが必要となります。Operations Management Suite によってハイブリッドクラウド管理プラットフォームをAzureから提供します。Azure MonitorとOperations Management Suiteのインサイト情報と分析けっかにより、Azure環境、オンプレミス環境、AWS、VMwareにあるワークロードやアプリケーションであっても全てのデータが手元で閲覧できます。
ITクラウドの旅を進めて行くにあたり
我々が継続的に世界をリードするクラウドプラットフォームを提供すると同時に、頻繁に変更する技術を追うことは難しいことでもあります。そのため、マイクロソフトではITプロフェッショナルのためのクラウドキャリアの道を進めるための支援として、キャリアパスの計画から最新のクラウド技術を活用したAzureのハンズオン練習にいたるまで、無料のリソース提供します。
- Microsoft IT Pro Cloud Essentials プログラムでは、無料のサポート問い合わせを含んだ$300のAzureクレジットが提供され、Pluralsightコースの無料受講や資格受験の割引がふくあれています。本日より、Microsoft IT Pro Cloud EssentialsとIT Pro Career Centerプログラムを新たに25カ国語で提供します。
- Microsoft IT Pro Career Center ではクラウドへの移行に向けて、必要なスキルを身につけられます。
- Microsoft Tech Community はモダンなデジタルコミュニティを提供し、質問したり、アイデアを交換し、Microsoft Valued Professionals (MVPs)やMicrosoftエンジニア等とつながることができます。最新のマイクロソフトクラウドテクノロジーを入手するには、毎週動画配信されているYouTubeチャンネル、Microsoft Mechanicsを購読してください。
我々は、Azureにおけるこれらの投資とイノベーションにより、ビジネス変革へ大きく貢献できてると信じています。Azureの素晴らしい成長を貢献頂きありがとうございます。新しいAzureのリリースについてのフィードバックをお待ちしております!
情報元: https://azure.microsoft.com/en-us/blog/cloud-innovations-empowering-it-for-business-transformation/
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