Dynamics CRMとAzure Machine Learningを連携して求められている製品を顧客へ的確に提案
2016年5月にリリースされたMicrosoft Dynamics CRM Online Update 1ではマイクロソフトの機械学習サービス「Azure Machine Learning」との連携機能が「クロスセル製品推奨事項」として追加されました。
このAzure Recommendation Serviceは、すでに蓄積されているDynamics CRMの過去の営業案件や受注データをもとに、顧客の販売動向を自動で分析し、より良い商品の組み合わせを提案してくれる機能です。※2016年6月12日現在、プレビュー機能としての提供です。
どの商品なら顧客に追加で提案したものを購入してもらえるかを把握するには、従来の方法では営業担当としての経験や、長い時間をかけた分析などが必要でしたが、Microsoft Dynamics CRM Onlineの最新版ではより短期間の分析で、まだ営業を始めたばかりの新入社員でも、ある程度より的確な提案ができるようになり、よりクロスセルの確率も上がります。
今回はAzure Machine Learningの「Recommdation API」を使用して、Dynamcs CRM Onlineと連携させてみます。
Microsoft Azure Machine Learningの準備
Dynamics CRMを設定する前に、事前にAzure Machine Learning側の準備が必要になります。
手動でRecommdationモデルを作成するのではなく、すでにMicrosoftが公開しているRecommdations APIを活用します。
まず、以下URLへアクセスし、「Microsoft Azure Marketplace」にいきます。
http://datamarket.azure.com/dataset/amla/recommendations
月々10000回の提案までは無償で使用できます。「サインアップ」をクリックします。
もう一度確認の画面が出ます。「サインアップ」をクリックします。
これでサインアップは完了です。「マイアカウント」をクリックします。
左側の「マイ データ」をクリックすると、以下画面が表示されます。「使用」をクリックします。
プライマリアカウントキーをクリックするとキーが発行されます。こちらのキーのメモを取りましょう。
Microsoft Dynamics CRMで「クロスセル製品推奨事項」の準備
次にDynamics CRM側の準備です。この「クロスセル製品推奨事項」機能は現在プレビュー機能のため、標準では表示されていません。また、お使いのインスタンスによってはまだ追加されていない場合もあります。
「設定」から「管理」の中の「システム設定」をクリックします。
「プレビュー」タブを選択し「クロスセル推奨事項のプレビュー」の「はい」を選択し、「OK」をクリックします。
有効化したことにより、「Azure Machine Learning Recommendations サービスの構成」が表示されました。こちらをクリックします。
免責事項が表示されます。「続行」をクリックします。
Azure アカウントキーにメモをしていたプライマリアカウントキーを入力し、「アクティブ化」をクリックします。
新たなポップアップが表示されますが、「アクティブ化」を再度押します。
これでAzure Machine LearningとDynamics CRMは接続されました。
次に、Azure Machine LearningにDynamics CRMのデータを学習させるため、モデルを構築します。
「設定」の「製品カタログ」をクリックします。
「製品に関する推奨事項」をクリックします。
デフォルトで「Recommendation Model」が表示されます。
「モデル バージョンのビルド」をクリックします。
ここでは既定のまま、「バージョン1」で作成します。OKをクリックします。
これでAzure Machine LearningはDynamics CRMの受注、営業案件と見積もりデータを学習し始めました。
データの学習が完了し、モデルが作成されると「モデルバージョン」の下にある、「AzureModelBuildStatus」が「成功」と表示されているはずです。
次にモデルをテストしてみます。「推奨事項のテスト」をクリックします。
「モデル バージョンのテスト」画面が表示されます。ここでは、テストしたい製品を選択し、モデルバージョン1で先ほど作成した「バージョン1」を選択します。
「結果の表示」をクリックすると、選択された製品をもとに、「製品に関する推奨事項」として、提案に適した製品をリストアップしてくれます。
テストを終えたら、画面右上の「推奨事項バージョン」を設定し、
「アクティブ化」をクリックします。
もう一度「アクティブ化」をクリックします。
提案機能を使用してみる
これで機能が有効になったので、実際に試してみます。
「営業」の「営業案件」をクリックします。
どれか既存の営業案件を選択し、「製品品目」のタブまでスクロールします。
「推奨事項」という列が新たに追加されていることが確認できます。
「推奨事項」のリンクをクリックします。
新たな画面が表示され、「クロスセル」で推奨製品がリストアップされ、「評価」のタブで0-1の間で高い数値ほど、より推奨されている製品であることが示されます。
実際に表示された製品を追加する場合は、「ピック」をクリックします。
そうすると推奨されていた製品が製品品目の一覧に追加されます。
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