マイクロソフトはPaaS型の分析サービスとして、Microsoft Azure Analysis Servicesのプレビュー版をリリースしました。以下はその発表内容を和訳したものです。

我々は新たなクラウドベースのデータプラットフォームとして、 Microsoft Azure Analysis Servicesの公開プレビューを発表しました。SQL Server Analysis Serviceをベースとした、エンタープライズスタンダードのOLAPエンジンとBIモデリングプラットフォームを提供するAzure Analysis Servicesは、PaaS（Platform as a service）型のマネージドサービスです。Azure Analysis Serviceによって、開発者やBIプロフェッショナルはPower BIやExcel、カスタムアプリへインタラクティブかつリッチな分析体験を提供する、BI セマンティック モデルを作成出来るようにします。

Azure Analysis Servicesを選ぶ理由

データドリブンの近来的な組織では、ITプロフェッショナルやデータサイエンティストだけでなく、全てのビジネスユーザーが日々の業務で瞬時に情報を入手出来る必要があります。セルフサービスBIのツールによって、ビジネスユーザーはデータへのアクセスを大きく前進させましたが、多くのビジネスユーザーは、必要なデータ元の特定、目的のデータへの加工、そしてデータの模索を行うにあたっての必要な専門知識や意力ありません。Azure Analysis Servicesによって、BIプロフェッショナルは生データに対してのセマンティックモデルを作成し、共有することで、ビジネスユーザーはモデルへ接続するだけで瞬時にデータを参照し、インサイト情報を入手することができるようになります。Azure Analysis Servicesは最適化されたインメモリエンジンを利用することで、「考えるスピード」と同じぐらい早く、ユーザーからのクエリへ応答します。

マネージド型のPaaS

  • 開発者は数秒でサーバを作成できます。プランは開発者用（D1） または、スタンダードプラン（S1、S2、S4）です。各プランではクエリ処理数とモデルキャッシュの固定の上限があります。開発者向けプラン（D1）では最大3GBのモデルキャッシュをサポートし、最大のプラン（S4）では100GBまでです。
  • スタンダードプランでは、専用の予測用途向けの容量 が用意されており、本番環境に適しています。開発プランでは、PoCや、開発、試用版に最適です。
  • 開発者はいつでもサーバを停止、継続することができます。停止中は費用は発生しません。さらに我々は管理者向けにスタンダードプラン内でのスケールアップとスケールダウンに対応する予定です（現在は対応していません）
  • 開発者はAzure Active Directory を構築したモデルに対するユーザー認証方法とロールベースのセキュリティとして、利用することが出来ます。
  • サービスは現在South-Central US とWest Europe リージョンで利用可能です。より多くのリージョンをプレビュー期間中に追加する予定です。

SQL Server Analysis Servicesとの互換性

  • 開発者はVisual Studio内のSQL Server Data Tools を利用することで、モデルを作成し、サービスへデプロイすることが出来ます。管理者はSQL Server Management Studio からモデルの管理ができ、問題はSQL Server Profilerから調査できます。
  • ビジネスユーザーは全てのメジャーなBIツールでモデルを利用することができます。サポートされているマイクロソフトのツールは、Power BI、Excel、SQL Server Reporting Servicesです。最新のドライバーさえダウンロードしてインストールすれば、その他MDX形式に対応したBIツールも利用できます
  • サービスは現在テーブルモデル (互換性レベル1200のみ)に対応しています。多次元モデルはお客様の需要によっては将来的にリリースする可能性があります。
  • モデルはAzure (例：Azure SQL Database、Azure SQL Data Warehouse) とオンプレミス環境(例：SQL Server、Oracle、Teradata)等の様々なデータソースに対応しています。オンプレミスデータゲートウェイを経由することで、オンプレミスのデータソースへもアクセスできます。
  • モデルは最適化されたインメモリエンジンのキャッシュを利用することで、素早い応答をインタラクティブなBIツールへ返します。また、モデルはDirectQueryを利用することで、直接データソースへクエリすることも可能で、接続先のデータベースやビッグデータエンジンのパフォーマンスとスケーラビリティを最大限に活用することができます。

azure-analysis-service

Azure Analysis Services previewはAzureポータルまたは、Azure Resource Managerのテンプレートから始められます、Visual Studioのプロジェクトではそのサーバ名を指定するだけです。モデルをセキュアにアクセスするにはAzure Active Directoryのユーザー名（UPN）またはグループをロールメンバーシップで管理することができます。是非お試し頂き、フィードバックをお送りください。

Azure Analysis Servicesの詳細を確認する（英語）

情報元: https://azure.microsoft.com/ja-jp/blog/introducing-azure-analysis-services-preview/