Power Apps と Power Automate の大規模な管理とサポートシリーズ、第4回/最終回は「活動内容に対して
通知・行動する」方法についてです。

第3回では、テナントの活動状況について監視し、IT側で可視化できるようにする方法についてご紹介しましたが、監視するだけでは単なる保守を行う、「受けのIT」のままになってしまいます。これを、「攻めのIT」へと進化させるには、プロアクティブに利活用を推進していかなければいけません。この回では、その推進をどうするべきかについて着目し、いくつかの方法をご紹介します。

新しい作成者を歓迎し、「チャンピョン」を特定

ようこそメールで新しい作成者を歓迎する

テナントの状況が確認できるようになると、新しいアプリ作成者や、アプリ・フローなどを検知できるようになります。ここで便利なのが、Power Automateを利用した「ようこそメール」です。

ようこそメールは、新しくPower AppsやPower Automateを試しに作られた作成者を自動的に特定し、その方に対してようこそメールを送信し、メールには社内の学習サイトや、Yammerのコミュニティーへのリンクも掲載し、仮にアプリやフロー作成中に躓いた場合でも相談できる場があることで、より利活用が広まることが期待できます。

チャンピョンを特定する

このようなツールの利活用推進に欠かせないのが「チャンピョン」です。第1回でも世界のチャンピョンをご紹介しましたが、この方々はIT部門ではなく、実際に業務を行っている業務部門の方々が、自らPower AppsやPower Automateを勉強し、自部門内で作成し、利用している方たちを指します。

例えば、ロンドンヒースロー空港でセキュリティ担当をしていたサミットさん(以下写真の方)はもともとは空港のセキュリティチェックの担当として勤務していたのですが、Power Appsの利活用推進を自部署に対して行い、様々なアプリを展開したり、同僚を育成したりもしました。

チャンピョンの特定方法は、Center of Excellenceスターターキットに含まれる、Power BIのダッシュボードを活用すると簡単に特定することができます。

「アプリ」タブへ移動し、以下のように、アプリの一覧を確認すると、実際のユニークユーザー数が何名か、セッション数が何回かがわかります。ここから、一番人気のアプリケーションを確認し、作成者を見つけることでチャンピョンが誰かがわかるということです。

監査プロセスをセットアップする

Center of Excellenceを設定することで、監査プロセスもプロアクティブに設定することができます。

ツールキットには、監査ワークフローがすでに設定されています。

Power Automateのフローにより、利用用途が明確化されておらず、20人以上または1つのグループに共有されたアプリは自動で日次単位で特定され、自動でメール通知が送信されます。

作成者は「開発者コンプライアンスセンター」というPower Appsキャンバスアプリから、利用用途やアクセス管理、影響度などを記載し提出する必要があります。

提出すると、IT管理者側では「Power Platform 管理ビュー」モデル駆動型アプリから、アプリのリスク判定結果を記載し、アプリカタログへの掲載を承認します。

承認を得られたアプリのみが、社内公開されているアプリカタログへ反映され、だれでもアクセスできるようになることを意味します。

以上で、テナントの活動状況を監視できるようになりました!

Center of Excellenceツールキットについての詳細情報は、こちらのブログ投稿をご覧ください!

Power AppsとPower Automate Center of Excellence スターターキット日本語版をリリース

本ブログ投稿の第1回から第4回までの内容を社内で発表されたい方は、こちらのSlideshareからご覧・ダウンロードいただけます。