本日から開催された Microsoft Build 2022にて、Microsoft Power Automate をよりスケールする方法でビジネスプロセスを効率化する、新しい方法が発表されました。

IT部門の対応力に依存している組織にとって、必要なリソースへの迅速なアクセスが重要です。インパクトのある自動化の取り組みには、部門を超えた協力が必要であり、CoE (Center of Excellences) は成功のための中核的な要素となっています。

日本時間26日午後2時から吉田が日本語でご紹介する、Microsoft Build 2022 Power Platform 最新情報のイベントでは、企業全体の自動化をより簡単に拡張するための最新の革新的な技術をご紹介します。すでに250人以上の方々に参加登録いただきましたので、この機会にぜご参加ください。

ホスト型RPAボットによる自動スケール機能がプレビュー公開

Power Automate が2019年にRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)機能であるデスクトップフローを発表して以来、マイクロソフトは利用者の声に耳を傾け、すべての人のための自動化をさらに民主化する方法を模索し続けてきました。

Power Automate for desktopのリリースにより、レガシーシステムと最新システムの間で繰り返される反復的なタスクの自動化がより簡単に実現できるようになりました。Windows 10 の利用者にはMicrosoft Storeで無料で提供され、Windows 11 には組み込まれています。ユーザーは、追加費用なしで、デスクトップ上で有人のRPAボットを使い始めることができます。

ホスト型RPAボットのプレビューを公開することで、Power Automate にとっての次の段階へと進化しました。RPAのための真のSaaS(Software as a Service)として、無人のRPAボットを作成し、Microsoft Azure が提供するホスト型仮想マシン上で自動的に展開することができるようになりました。

もう、厳しい承認依頼やコストのかかる導入の時代は終わりました。Power Automateのホスト型RPAボットでは、基本的なパラメータを設定し、ボットのグループを作成するだけで、無人RPAシナリオ用に仮想マシンを自動的に展開することができ、Azure のサブスクリプションは必要ありません。

Power Automate 側でマシン管理を対応し、最も必要な部分に時間を集中させることができます。

AT&T 社も Power Automate のRPAで自動化を拡大

AT&Tは2021年初頭から Power Automate の無人RPAを活用しており、マイクロソフトとAT&T社は協力してホストRPAボットを大規模に構築・改善し、デジタル変革の可能性の限界を押し広げてきました。AT&Tは市民開発者やプロの開発者を歓迎し、個々のグループだけでなく、企業全体を支援する自動化を作っています。AT&Tはこれを「AIの民主化」と呼び、データサイエンティストや開発者でなくても、すべての従業員がAIや機械学習のツールや機能を利用できるようにしています。現在、AT&Tは、1,600台の仮想マシンで2,500以上の無人RPA自動化を実行しており、自動化の拡張もお手の物です。

「Power Automate RPA を利用することは、AT&Tにとって変革のきっかけとなりました。また、ホスティングされたRPAボットの利点により、退屈な手作業の時間をなくし、お客様へのサービスやAT&Tの業務の最適化に集中できるようになります。当社の社員は、インテリジェント・オートメーションによるビジネス変革を受け入れ、実現し続けています」

AT&T テクノロジー部門ディレクター Dhru Shah氏

AT&Tのアプリケーション開発者であるJohnie Mcgee氏を例にします。Johnie氏は Power Automate でインテリジェントな自動化フローを作成し、AI Builder を活用して請求書と許可証を区別し、自動的に処理できるようにしました。このフローは約99%の精度で、年間3,500時間を節約できると予測され、AT&Tの従業員が企業をさらに発展させる方法を考案する機会を提供しています。

AT&Tは、アプリケーションのクラウド化、Software-Defined Networkingとネットワーク機能の仮想化、エッジ・コンピュート機能のネットワークへの導入など、数年にわたる技術革新と近代化の取り組みの一環として、ロボットによるプロセス・オートメーションに注力しています。

プレビュー中のホストRPAボットの詳細については、マシングループ管理のページとイベントをぜひご覧ください。また、無料トライアルや無人RPAアドオンに登録することで、すぐに利用することができます。

RPA の例ですぐに使える自動化を構築

Power Automate for desktop の新しいエクスペリエンスをご紹介します。このライブラリは、Excel、デスクトップ、Web の自動化で何が可能かを理解するためのサンプルとして利用できます。また、カスタマイズして自分のためのフローを作ることもできます。まず、最新バージョンのPower Automate for desktopを使用していることを確認し、アプリケーションのホーム画面からExamplesにアクセスします。役に立つ使用例ビデオ(英語)をぜひご覧ください。

Power Automate を外部のアプリにも埋め込むことが可能に

次に、Power Automate をSaaSアプリケーションに組み込む機能と、組み込みシナリオをサポートする、新しい従量制課金プランを将来的に使用できるようになることが発表されました。開発者は、Technical Embed SDKを使用して、今日から自分が開発したアプリやサービスに組み込むことができます。マイクロソフトのパートナーである Adobe 社は、Technical Embed SDKを使用してPower Automate を Adobe Acrobat Sign に組み込み、高度な文書の署名および処理ワークフローを実現しています。従量課金メーターは 2022年7月からより広く提供する予定で、詳細は夏に開催される Microsoft Inspire で公開される予定です。早期アクセスを希望される方は、こちらから Power Automate Technical Embed SDKと従量課金の登録(英語)をしましょう。

クラウドフローをプロセスアドバイザーで分析する

プロセスやタスクのマイニング機能である Power Automate に、新たにプロセスアドバイザをクラウドフローへ統合しました。

複雑なフローを構築する開発者は、何百、何千もの実行の履歴とパフォーマンスを理解する必要があります。例えば、フローのどの部分で最も時間がかかっているのか?どの部分が失敗しているのか?使われていないロジックの分岐があり、それを安全に取り除くことができるのか? Process Advisor を使ったクラウド・フロー分析では、フローが何度実行されても、これらの質問に答えることができるようになりました。

プレビュー段階では、数分でクラウドフローの履歴を把握し、ビジネスを監視し、最適化する機会を発見することができます。Microsoft Buildで発表されたプロセスアドバイザーの最新機能については、こちらのブログをお読みください。

Power Apps のキャンバススタジオから直接フローを作成

最後に、多くの開発者がアプリとフローを一緒に構築していることを把握しており、より簡単に行えるように継続的に製品を改善しています。Power Apps のキャンバススタジオの内から直接自動化の構築を開始できるようになり、アプリの作成に集中できるようになりました。Power Apps の画面からPower Automate へ画面を切り替えてからフローを別途構築する必要はなく、アプリの内部から「新しいフローを作成」をクリックするだけで出来るようになりました。