マイクロソフトは2016年10月31日に、Power BI Desktopの10月度のアップデートを発表しました。以下はその内容を和訳したものです。

本日、ワクワクするような新しい機能を色々追加した、Power BI Desktopの10月度のアップデートをリリースしました!新たなレポート機能をいくつか追加しており、データスライサー機能や、グリッドへはめ込み機能などが含まれます。更に新たな分析機能もいくつか追加しており、グルーピング機能や、Top Nフィルターなどが含まれます。

10月度で含まれるアップデート内容は以下の通りです:

レポートビュー

アナリティックス(分析)

データコネクタ

クエリ編集機能の改善

その他の改善

主なアップデート内容は、以下の動画をご覧ください。

日付スライサーの追加

スライサーはレポートで表示させるデータの範囲を素早くユーザーが設定できるようにする、素晴らしい方法です。お客様から頂いた強い要望の一つとして、日付でのフィルターをより簡単にしてほしいということでした。このリリースでは、既存のスライサー機能を改善し、新しく「日付スライサー」として、新たなスライサーのレイアウトを追加しました。

日付スライサーを追加するのは非常に簡単です。標準のスライサーを利用し、日付フィールドを追加するだけです。これをすると、既存のスライサーが日付スライサーとして表示され、開始日と終了日が選択できるようになります。スライサーを利用して日付を指定するか、カレンダーから選択することもできます。

更にモードを「以前」にする場合は、最初または最後の日だけを利用します。

標準のリストビューに戻すこともできます。

日付スライサーについての詳細は、以下の動画をご覧ください。

グリッド線によって配置が簡単に

美しいPower BIレポートを発行するためには、可視化パーツをきれいに並べて、整理されていることが非常に重要です。今まではX軸とY軸の座標を各可視化パーツで指定するか、矢印キーで微調整することで、設定できていましたが、非常に時間がかかる作業でした。今回、多くの方々にご要望いただいてました機能として、グリッド線と、グリッドへはめ込み機能をPower BI Desktopに我々はプレビューとして追加しました。この機能により、レポートキャンバス上でグリッド線を表示させ、さらにこれらのグリッド線にはめ込むことが可能になります。

このプレビュー機能を有効化するには、オプションから「プレビュー機能」の「グリッド線とグリッドにスナップ」を有効化し、再起動することで利用できるようになります。

グリッド線と「グリッド線へはめ込み」のオプションをリボンの「参照」タブから有効化できます。チャートを移動するために片方の設定だけを有効化したり、両方とも有効化することもできます。詳細については、以下の動画をご覧ください。

ラベルパーツのアップデート

今回のPower BI Desktopのリリースでは、新しく、列、バー、ウォーターフォールチャートに対してデータのラベル機能を追加したことで、より可視化パーツの皆目が良くなりました。

まず、データラベルを有効化し、どれも表示されなかった場合には通知し、解決方法を提示します。

列チャートに関しては、データラベルの向きを変更し、縦か横に表示されられるようになりました。これにより、長いデータラベルでも表示できます。

更に、バー、列、ウォーターフォールチャートでは、データラベルの位置を変更し、特定の場所で表示させることが可能になりました。

また、バーと列チャートで、継続的なデータを軸として持っている場合に、データラベルの密度を指定し、表示する数を変更することができるようになりました。

データラベルについての詳細は、以下の動画をご覧ください。

我々はBing Maps可視化パーツに新たに2つのフォーマットオプションを追加し、よりマップをカスタマイズできるようにしました。

データによっては、Bing Maps上で表示されているバブルサイズが小さすぎて見難い場合があります。書式設定の画面では新たにバブルのサイズを指定できる項目を追加しました。

マップ機能には非常に便利なズームレベルが変更される機能があり、全データを表示させるようになっていますが、データによっては、自分の指定したズームレベルにしたいことがあるかと思います。今月より、我々は自動ズーム機能を無効化する機能を追加しました。これにより、ズームレベルを指定し、他のスライサーや可視化パーツをクリックした場合でも、その状態を維持することができるようになります。O

マップ機能についての改善内容の詳細は、以下の動画をご覧ください。

開始日と終了日が日付ピッカーから選択可能に

メジャーや日付を軸として設定した場合、開始日と終了日を書式設定から変更することができます。今月のリリースでは、さらに日付の指定を改善し、開始日と終了日を日付ピッカーから選択できるようになりました。これにより、今までより更に簡単に、素早く範囲を設定できます。

日付範囲についての詳細は、以下の動画をご覧ください。

グループ化

今回のリリースでは、可視化パーツのポイントをグルーピングする機能が追加され、より簡単に関連するカテゴリーを参照し、分析できるようになりました。

この機能を利用するには、1つもしくは複数のポイントを可視化パーツから「Ctrl +クリック」で選択、どれかのポイントを右クリックし、「グループ」をメニューから選択します。

グループが作成されると、自動的にフィールドリストに追加されます。フィールドリストでも、この新しいグループフィールドが表示され、他のフィールド同様に可視化パーツで利用したり、チャートの軸として使用可能です。

既存のグループは右クリックし、「グループの編集」をクリックすることで編集できます、

このダイアログでは、グループを作成、管理、削除することができます。グループ化されていないカテゴリーを「その他」のグループにするか、グループしないように設定できます。

更にメニューを右クリックし、「グループ」を選択することで、新しいグループを一から作成することも可能です。

軸からも、グループさせることができるようになりました。

これを実行すると、新しいグループで置換されます。

グルーピングについての詳細は、以下の動画をご覧ください。

値や時間のグループ化(binning)

カテゴリーをグルーピングする機能に加え、数値や時間のビン化(範囲指定によるグルーピング)が可能になりました。例えば、売上金額の項目があるとして、各販売金額の範囲によって、顧客満足度を調査したいとします。こういった場合に、ビン化することで、範囲グループを作成できます。作成するには、対象の項目を右クリックし、「グループ」を選択します。

ここで、範囲の大きさを設定します。

完了すると、自動的にフィールド一覧に追加され、新しく作成したグルーピングを利用できるようになります。

グルーピングについての詳細は、以下の動画をご覧ください。

上位Nフィルターへの対応

データセットを分析する場合、よくカテゴリ化されたデータを分析し、どれが優秀なカテゴリーで、どれがそうではないかを確認したいと思います。今回のリリースでは、多くのみなさまからご要望頂いた、新しいフィルタータイプとして「上位N」カテゴリーフィルターを用意しました。

カテゴリー内での上位または下位でフィルターできます。カテゴリーフィールド内でのフィルターペインのフィルターオプションとして、上位Nフィルターが見つけられます。「値」に上位の基準を指定することで、フィルターできます。

詳細は以下の動画をご覧ください:

データを参照する際、特定のデータの詳細を見たいことがよくあります。例えば、異常値などを発見した場合は、詳細を調査します。更に、いらないデータについては、表示させたくないと思います。今回からは、1つ、または複数のポイントを右クリックすることで、含めないようにすることが可能になりました。

「含める」を選択することで、選択したデータのみが表示され、「含めない」を選択した場合は、指定したデータのみが非表示になります。

フィルターペインでは、何点のデータが除外されたが確認できます。フィルターカードを開くと、どのデータが対象だったかが確認でき、除外フィルターの対象から削除することも可能です。

詳細は以下の動画をご確認ください。

R可視化パーツがインポート可能に

Power BIのR可視化パーツの連携により、更なる高度な分析力と、無限の可視化への柔軟性をPower BIレポートに提供します。これらのレポートは、どのビジネスユーザーにもPower BIサービス経由で閲覧頂けるので、Rの技術者だけではありません。ただし、これらのレポートを作成するにはRスクリプトでプログラミングできる専門性を必要とします。今回のリリースでは、我々はその壁を取っ払い、我々のカスタム可視化体験をR可視化パーツでも利用できるようにしました。これにより、既に構築済みのRベースのカスタム可視化パーツを、カスタムビジュアルギャラリー(Custom Visuals Gallary)からダウンロードするだけで、利用できます。自分で開発する必要はありません。Rベースのカスタム可視化パーツは、http://app.powerbi.com/visualsの中の、「R-powered visuals」タブを選択してください。

カスタムビジュアルギャラリーから、可視化パーツを選択すると、可視化パーツをダウンロードするか、可視化パーツを利用した、サンプルの.pbixファイルがダウンロードできます。

可視化パーツをダウンロードしたら、Power BI Desktopから、通常のカスタム可視化パーツ同様にインポートできます。

Rパッケージが必要な場合、インストールが必要なことをPower BI Desktopが教えてくれます。

ここからは、通常の可視化パーツ同様の操作方法で、高度な分析を行えるようになります。レポートを作成したり、発行して、同僚と共有できます。

R可視化パーツをPower BI Desktopで利用するには、Rエンジンとして、CRAN 3.3.1またはMRO 3.3.1が必要です。Power BI ウェブサービスでは何もインストールする必要はありません。

Dynamics 365 for Financialsへ対応

今月の新しいコネクタは、「Dynamics 365 for Financial」からデータをインポートできるようになりました。新しいコネクタは、「オンラインサービス」から選択できます。

このコネクタを選択すると、ODataのURLを指定でき、参照先の会社も選択できます。

新たにOLEDBコネクターがリリース

今月、我々はOLEDBコネクタを経由して、OLEDBドライバーへの接続の提供を開始しました。既にサポートされている幅広い範囲のデータ元に加え、OLEDBへの対応により、より多くのデータソースをPower BIへ接続出来るようになりました。

この新しいOLEDBコネクターは、「データを取得」画面の「その他」のカテゴリーにあります。

コネクター画面では、接続文字列が指定でき、任意で実行したいSQL文も記入できます。SQL文が指定されていない場合、ナビゲーター画面へ移動し、OLEDBドライバーでアクセス可能なテーブルを参照し、選択できます。

コネクターが選択されると、認証のための認証情報が要求されます。組織アカウント、ベーシック認証(ユーザー名・パスワード)のどちらのタイプにも対応しています。

Mixpanelへの対応

今月、新しいコネクタとして、分析プラットフォーム製品をリードする、Mixpanelを追加しました。この新しいコネクターにより、ユーザ-はモバイルとウェブの分析データをMixpanelアカウントからインポートでき、Power BIで可視化して、レポートが作成できるようになります。

新しいMixpanelコネクターは、「データを取得」画面の「オンラインサービス」カテゴリにあります。

コネクタを選択すると、認証のための資格情報(API秘密キーとパスワード)を入力できます。

これにより、アカウント内のデータを参照できるようになり、テーブルまたはパラメータ化された関数として、Power BIで利用できるようになります。

詳細はこちらの動画をご覧ください。

呼出機能の強化

今月我々は、「テーブル」タイプにサポートする、呼び出し機能を強化しました。テーブルパラメータ、ユーザー定義された関数、または標準で組み込まれている関数をを受け取るファンクションでは、既存のテーブルクエリを関数の入力値として利用できるようになります。

以下のスクリーンショットでは、Table.Transposeの機能を利用したときの、呼び出し機能です。

この機能は「カスタム機能を読み込む」場合でもサポートされており、独自で定義したファンクションにたいして、テーブルへクエリ参照させることも可能にします。

詳細は以下の動画で確認できます:

セッションIDを入力のコピー

今回のリリースで、セッションIDと診断情報をクリップボードへ貼り付けられるようになりました。診断情報は、「ファイル」>「ヘルプ」>「バージョン情報」から表示できます。 我々のサポートチームからサポートを受ける場合、この方法によって、調査に必要な情報がより簡単に提供できます。

診断情報の詳細は、以下の動画をご覧ください。

今月のアップデートは以上です!このアップデートで喜んで頂け、引き続き貴重なフィードバックをお送り頂けることを願っています。また、Power BI Desktopで欲しい他の機能について投票されることをお忘れなく!

情報元: Power BI Desktop October Feature Summary