RPA機能の Power Automate Desktop 一般公開(GA)とプロセスアドバイザーの公開
本日より、世界中の組織のさらなる自動化の民主化のために、Power Automate で2つのアップデートが発表されました。1つは「プロセスアドバイザー」のパブリックプレビューと「Microsoft Power Automate Desktop」の一般公開(General Availability)です。
この投稿では各アップデートでリリースされた、いくつかの新しい機能についてご紹介し、皆様が業務の自動化を検討する際にどの業務を対処とするべきかを理解する機能や、RPA(ロボティックプロセスオートメーション)の機能における、新しい体験についてお話します。
Power Automate 内で様々な自動化の手段が用意されていますが、今回の発表に合わせて、Power Automate のフローの種類について以下のように名称を変更しました:
- Power Automate サービス上(ウェブサイト上)で実行できるフローは「クラウドフロー」となります。これらは主にAPIなどのコネクタを利用してアプリケーションやサービス、クラウド上・オンプレミス上のデータベースの自動化に利用します。お客様や分析機関によっては、これらをデジタルプロセスオートメーション(DPA)と呼ばれていることがあります。
- お客様のパソコンや仮想サーバ上で実行されるフローは「デスクトップフロー」となります。従来はUI flows と呼んでおり、画面操作の自動化を行い、ロボティックプロセスオートメーション(RPA)と呼ばれていることがあります。
- 3つ目の種類は従来通り、業務プロセスフローと呼ばれ、業務プロセス管理(BPM)が行えます。
「プロセスアドバイザー」がパブリックプレビューとして新登場
自動化による最大の価値を得るためには、その業務がどれほどのパフォーマンスが出ているかを理解することが重要になります。今回の機能により皆様は業務プロセスを可視化できるようになり、分析することで優先順位の適正化と付加価値の高い自動化を行い、Power Automateは新しい洞察を提供します。
プロセスアドバイザーはMicrosoft Power Automate 上のプロセスマイニング機能として提供され、仕事の仕方や時間が取られすぎていて、自動化が可能な業務の特定の手助けをします。プロセスアドバイザーにより、ボトルネックを特定し、可視化を行い、様々な会社の業務の洞察を得られるようになります。
たった5つの簡単なステップで、プロセスの記録やプロセスマップの生成、深い洞察を得られることが可能です:
- 作成:洞察を得たいプロセスを特定し、プロセスとして登録
- 共有:同僚と共有し、手順を記録
- 記録:皆さんで実際の操作手順を記録する
- 編集・加筆:機密情報を削除し、アクティビティとして一連の手順をグループ化
- 分析:プロセスマップを生成し、分析したり、洞察を得る
プロセスアドバイザーについてはこちらの概要から(英語)確認し、実際の動作はこちらの動画(英語)でご覧いただけます。プロセスアドバイザーを始めたいかたはぜひこちらからお試しください。
RPAの新機能を公開
私たちは自動化の民主化を行えるように継続的に改善しています。Power Automate Desktopが今回一般公開されたことに加え、以下の新しい機能を追加しました:
- ロール別の共有:デスクトップフローを複数のユーザーに共有し、RPAの価値をさらに得られます。
- ライフサイクル管理:どのテナントの環境でもデスクトップフローの動作を包括的に移行させることができます。
- 実行優先度の設定:どのデスクトップフローを優先的に実行させるか、優先度を設定することができるようになりました。
- 実行状況と実行待ち(キュー)のリアルタイムモニタリング:デスクトップフローの実行状況を確認し、監視することができるようになりました。
ロール別のデスクトップフローの共有
ロール別(役割別)のデスクトップフローの共有により、RPAの利活用をさらに加速させることができ、組織全体にわたって活用を推進することができます。デスクトップフローを直接共有できるようにすることで、組織は自動化の設定を複数人で設定できるようになります。作成したデスクトップフローは特定の業務に組み込んだりすることができます。
更に、ユーザーは誰がデスクトップフローを実行・編集・共有することが可能かを制御することができ、フローの作成を手伝ってもらったり、所有者を複数人にしたり、最適化したりすることができるようになります。
自動化のライフサイクル管理
デスクトップフローはソリューションに組み込むことができ、自動化のライフサイクル管理が実現できます。作成したデスクトップフローは、関連するほかの設定と合わせてソリューション化することができ、クラウドフローやPower Appsアプリ、Power Virtual Agents のチャットボットなども追加できます。ソリューション化した内容は開発環境やテスト環境、本番環境へと移行することができます。
デスクトップフローの実行優先度を設定する(プレビュー)
RPAの利活用が進むにあたり、どの自動化をほかのものより優先的に実行させるかなどの柔軟性が必要となります。この度Power Automateではデスクトップフローのプロパティの一つとして優先度のプロパティを設け、固定で優先度を決めるだけでなく、状況に応じて優先度を変更させることを可能にしました。例えば、メールの重要度に合わせてデスクトップフローの実行優先度を変更したい場合、メール取得時に得られる優先度の設定をもとに、デスクトップフローの優先度を変更することができるのです。
実行状況と実行待ち(キュー)の確認
組織内で自動化の優先度が上がるにつれ、すべての実行状況を一覧で確認できる場所が必要になってきます。デスクトップフローの利活用を成功へと導くためにもこの度新しいリアルタイムビューを2種類追加し、「監視」という新しい項目を用意しました。
デスクトップフローの実行を監視
すでに、デスクトップフローまたはゲートウェイの実行履歴は閲覧できていました。今回追加したデスクトップフロー実行ページからは、リアルタイムで環境内のすべてのデスクトップフローの実行状況を一覧から閲覧することができます。ソートやフィルタ機能を活用し、一番重要な、見たい内容に絞って確認することができるようになりました。
デスクトップフローのリアルタイム監視機能についての詳細を学ぶ(英語)
実行待ち(キュー)を監視(プレビュー)
同じパソコンやクラスタでの実行を必要とする自動化が同時に発生した場合、想定通りに問題なく実行されているかを確認できる必要があります。新たに加わったデスクトップフローのキューページからリアルタイムで実行待ちとなっている内容を確認できるようになりました。
上記に加え、実行中に優先度を変更することもでき、状況に応じて柔軟に対応することができます。ゲートウェイへの管理者権限を保有している場合には、特定のデスクトップフローを優先度が高になっているものよりもさらに一番上に実行順序を移動させることも可能です。
今回のアップデート内容の動作内容を見てみる
今回のPower Automate Desktop の一般公開に合わせ、新しく Microsoft Mechanics の動画を公開し、Power Automate Desktopをどのように活用できるかの例をご紹介しています。この動画ではPower Automateのクラウドフローとデスクトップフローを組み合わせ、シームレスな自動化された業務を見ることができます。
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