本日、Power Apps の エクスプレスデザインのプレビューが Microsoft Build で発表されました。この機能は、デザインファイルや画像から、ローコードアプリを即座に生成します。わずか数クリックで、紙のフォームやPDF、ホワイトボード上のスケッチ、Figmaでプロがデザインしたアセットなど、さまざまな入力から、Power Apps のWebおよびモバイルアプリを作成できるようになりました。エクスプレスデザインは、Power Platformが先進的なAIを適用して、より多くの人がチームやビジネスのイノベーションを推進できるよう支援する多くの方法を追加しています。

IDC によると、今後 5 年間に 5 億以上のアプリとサービスが構築される予定で、これは過去 40 年間に構築されたすべてのアプリを上回ります。これは、組織と開発者が速やかに適応する必要があることが伺えます。課題とソリューションの間の距離を短くし続けることができれば、必要な開発スピードと規模を達成することができます。そこで、アイデアや既存の資産を実用的なアプリケーションに変換する速度を大幅に向上させる、今回発表したエクスプレスデザインが役立つのです。

エクスプレスデザインを利用して瞬殺でアプリを作成

Power Apps のエクスプレスデザインは、AIを搭載した副操縦士のように、あなたのそばでアプリの作成をサポートします。その仕組みは次のとおりです。

  • さまざまな種類のコンテンツから始める:紙のフォーム、PowerPoint、PDF、レガシーアプリのUIのスクリーンショット、あるいは紙にスケッチした手描きのアプリの写真から始めてください。あるいはFigmaのデザインファイルを指し示してください。
  • 高度なAIがファイルをスキャン:一般的なアプリケーション要素を認識するように訓練された認知AIモデルを使用して、Power Appsは、Microsoft Dataverseで動作するユーザー体験とデータスキーマを持つアプリケーションを自動的に生成します。
  • 必要なものを正確に得るためにモデルをチューニング:AIによって生成されたアプリをすばやく調整できます。ドロップダウン・コントロールや日付ピッカーへの変更も簡単にできます。
  • すべてのデータへシームレスに接続:ローコードで簡単にアプリケーションを適応・構成できます。675以上の標準搭載のコネクタを使用して、SAP、Salesforce、SQLなど、既存のシステムと統合できます。
  • 画面はいくつでも追加:アプリに画面を追加したい場合は、追加ファイルをアップロードするか、ローコードのPower Apps スタジオで簡単に作成できます。

エクスプレスデザインは、今日のデジタル変革を妨げている多くの一般的なシナリオを加速させるのに役立ちます。ほんの数例ですが、以下のようなものがあります。

レガシーフォームとペーパーフォームの業務現代化:多くの組織では、紙やPDFで作成されたフォームや、時代遅れのライブラリなどをまだ持っており、それらを効果的に近代化し、クラウドに移行するためのリソースを持っていません。これらのフォームを、業務に最も近い担当者が直接迅速かつ容易にデジタル化したソリューションに変換することができます。しかも、あらかじめ構築されたUIだけでなく、統合データプラットフォーム上で、あらかじめ構築されたデータスキーマを使用して行います。これにより、開発者は時間を節約し、戦略的な業務に集中することができ、手作業によるミスを減らすことができるだけでなく、組織のクラウドへの移行を加速させ、このデータの安全性とさらなる洞察を引き出すために使用することが可能となるのです。

スケッチやワイヤーフレームからアプリを生成:アイデアからアプリへの移行が、かつてないほど迅速かつ容易になりました。ホワイトボードでのアイデア出しから、PowerPoint でのブレインストーミング、手書きのスケッチまで、アイデアを画像として取り込むだけで、Power Apps ですぐに実現できます。

プロフェッショナルなデザインと開発を加速:今日、多くのソフトウェアが設計されている共同設計プラットフォームである「Figma」との統合が可能になりました。デザイナーがデザインツールで作成したUXを開発者が再現するのは、困難で時間のかかる作業です。エクスプレスデザインでは、デザイナーが Power Apps の Figma UIキットを使ってデザインを作成し、開発者がそのデザインを瞬時に機能的なアプリに変換できるため、デザインから開発までのプロセスを大幅に短縮し、複数のレビューも不要になりました。Figma to app 機能は、デザイナーと開発者の間のギャップを埋め、エンドユーザーに最適な体験を提供し、大幅な時間の節約と、エンドツーエンドの開発体験を可能にします。

Power Apps はAI搭載のローコードアプリ開発を更に拡張

他のデザインからのコード変換ツールとは異なり、エクスプレスデザインは真のローコードアプリを生成する機能を搭載したことで大きな前進をもたらします。このアプリは、あらゆるアプリ開発者が簡単にカスタマイズ、拡張し、何百もの作成済みのデータコネクターやカスタムコネクタに接続することができます。高度なAIモデルを使用して、フォーム、コントロール、データの構造など、画像の背後にある意図を理解し、エクスプレスデザインは、特定のプログラムやフォーマットとの単一の統合よりもはるかに汎用性が高くなっています。

エクスプレスデザインは、AIを使用して開発サイクルを加速し、より多くの開発者を支援する Power Platform の、方法の1つに過ぎません。エクスプレスデザインは、昨年の Microsoft Ignite イベントで発表した「高度な自然言語によるコーディング」と「サンプルによるプログラミング」機能をベースにしており、今後もすべての開発者がより多くのことを達成できるような革新的な機能に投資していきます。

今日からはじめるには

エクスプレスデザインは Power Apps で追加費用なく利用でき、 すぐに試すことができます。

  1. Power Apps をお持ちならエクスプレスデザインを試しましょう
  2. まだ開発者プランをお持ちでなければ、Power Apps 開発者プランを無料で入手できます。
  3. Figma を試したいかたは、こちらから試しましょう

日本向けイベントを5月26日に開催

これらの Microsoft Build 2022 で発表されたPower Platform 関連のアップデート内容は、日本時間5月26日午後2時から「Microsoft Build 2022 Power Platform 最新情報」で吉田が2-3時間かけてライブ配信でお届けします!イベントはこちらから参加できます。