今年のMicrosoft Ignite では、Power Platform の新しい機能を発表し、ビジネスユーザー(市民開発者)やビジネスアナリスト、IT管理者やプロの開発者が、より素早く、費用を抑えてアプリケーションを提供できるようにしました。 

本日、以下の内容が発表されました:

  • Microsoft Power Automate Desktop はWindows 10の利用者を対象に追加費用なく利用できるようになりました。これにより、個人でのRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)をどのアプリケーションでも実現できます。 
  • Microsoft Power Fx:Power Platform の為のローコードなオープンソースのプログラミング言語です
  • 新たに拡張されたガバナンス、セキュリティと管理機能により、IT管理者はローコードのソリューションを組織内で安全に管理し、利活用を推進できます。
  • 次世代のPower BI Premium: Power BI Premium Per User プランが4月2日から利用可能となり、ユーザー当たり20ドル/月で提供されます。また、新しい従量課金型のオートスケール機能を提供し、活用率などがわかるようになります。
  • Power Virtual Agents に新しいAI機能が搭載され、ボットは自動で自己学習し、時間の経過とともに改善します。

Power Automate Desktop for Windows 10 でRPAの民主化を

2020年に、Microsoft Power Automate のチームはRPAへの投資を強化するために、Microsoft Power Automate Desktop をリリースしました。2019年にRPAの機能を搭載したPower Automateをリリースしてからは凄まじい勢いで利用いただくお客様が増え、数百・数千もの組織が億単位で毎月アクションを実行するようになりました。

本日(日本時間2021年3月3日)より、Windows 10 をご利用のすべての方々は、追加費用なく個人レベルでのデスクトップ操作を自動化させるためにPower Automate Desktop が利用可能となりました。Windows 10のユーザーはPower Automate Desktop をダウンロードし、ローコードのRPAを日本時間の3月3日より利用可能となり、Windows Insider の方々は数週間後のビルドからは Power Automate Desktop が含まれた状態で提供されます。

Power Automate Desktop for Windows 10 により、いつもお使いのOffice アプリケーション上で動くようなマクロに似ており、SharePointやMicrosoft Excel、OneNoteなど様々なアプリケーションとウェブサイトの操作を自動化させることが可能です。

ユーザーフレンドリーなウェブとデスクトップのレコーダーを利用することで自動化したい操作を記録することができ、ドラッグアンドドロップのデザイナーでその操作の順番やロジックを設定することができます。利用するには370種類以上もの標準搭載されているアクションから自動化でき、様々なアプリケーションに対応しています。シンプルな操作画面により、誰でも簡単に始めることができます。例えば、必要な記入項目などは、その前のステップで取得した値や文字列を活用することができるため、更に簡単に自動化が可能なのです。

詳細についてはこちらのブログ投稿をご覧ください。Windows 10をご利用の方なら誰でもPower Automate Desktopをダウンロードできます。日本語での基本的な操作方法は吉田のYoutubeでもご覧頂けます。

Power Fx: みんなのためのオープンソースのプログラミング言語

本日、オープンソースのプログラミング言語、Microsoft Power Fx が発表されました。これは Microsoft Excel をベースとした、ローコードで動作を設定させるための言語です。

プログラミングの将来はよりオープンになることです。マイクロソフトは今までもC#やTypeScriptといったプログラミング言語の普及をオープンイノベーションによって加速してきました。Power Fx ではその同じオープンな方法をローコードの世界へももたらします。Microsoft は Power Fx をオープンソース化することで、より多くの方々がGitHubを通じてオープンに貢献することが可能となり、様々なツールに組み込むことも可能となる言語なのです。

Power Fx は Microsoft Excel を基に作られており、すでに数千万、数億の方々に日々利用されている関数と同じものを利用し、Power Fx はより多くの方々がすでに持っているスキルを活用し、ローコードなソリューションを作ることが可能となります。Power Fx はビジネスユーザーなどの市民開発者はもちろんのこと、プロの開発者もロジックを組み、課題を解決できます。Power Fx はすでに ローコードアプリケーションプラットフォームである、Microsoft Power Apps のキャンバスでも採用されています。これから先の近い将来、この言語はMicrosoft Dataverse、Microsoft Power Automate、Microsoft Power Virtual AgentsなどのPower Platformサービスへも拡張され、より多くの方々がローコードなツールをより簡単に利用できるようになります。

最も重要なのは、Power Fx がオープンな言語であることです。この言語はGitHubでオープンソースとして公開され、コミュニティからの貢献を受け付けます。更にこの言語は開発者向けのツールにも拡張していき、プロの開発社の方々は普段から利用しているVisual StudioやGitHub上で利用し、複雑なソリューションをローコードで実現することが可能となるのです。

Power Fx は業務部門のユーザーや、市民開発者、プロの開発者全員が共通の言語としてコラボレーションを行い、共同で一緒に組織の様々な課題をMicrosoft Power Platform で解決することができるきっかけ/基盤となるのです。

Power Fx についての詳細は、こちらのブログ投稿で詳しく説明しています。

IT管理者向けのガバナンスと管理機能の更なる拡張

ローコードを通じたイノベーションを開花させ、利活用を加速させるにはIT部門と業務部門の連携が非常に需要になります。データ接続やアプリ/フローの作成の統制を行うことにより、ITは業務部門に信頼できるデータとプラットフォームを提供し、安心して業務部門は活用することができるのです。ローコードプラットフォームはIT部門が業務部門とのコラボレーションの推進を加速化させ、より付加価値の高いものを更に効率よく提供することが可能にしつつ、セキュリティとコンプライアンスへの遵守も両立できるのです。

本日、Microsoft Ignite では、新たに拡張されたガバナンスと管理機能を提供することで、IT部門が組織内におけるローコードプラットフォームの活用の加速化と管理を手助けします

こちらのブログ投稿で詳細の説明をしていますが、新しい管理機能では更なる細かな制御が可能なデータ損失ポリシー機能の提供、テナント独立性(アイソレーション)機能、コネクターに対するアクションレベルでの制御、データフィルターの機能などを提供します。

新しい、テナント内の分析機能により、アプリとフローの全体的な利用状況を確認することもでき、上位のアプリ作成者情報や、Power Platform の共有設定について確認することができます。

これらの拡張により、ローコードの利用を管理しつつ、利活用推進を加速化させ、業界レベルのセキュリティやデータ制御をわかりやすい管理画面から設定できます。ローコードの利活用率が成長していくと、Power Platform のガバナンスと管理機能が更に重要になり、セキュリティ部門長やIT部門長は技術的課題を軽減させ、市民開発を促進させることが可能になります。

詳細についてはこちらのブログ投稿をご覧ください

Power BI Premium per User の公開と、Premium Gen2 with Autoscaleの公開

Power BI は、すべてのビジネス ユーザーとビジネス アナリストが AI を活用したエクスペリエンスで素晴らしい洞察を得られるようにします。Power BI Premium を使用すると、ビジネス アナリストはデータを分析および視覚化するだけでなく、ドラッグ アンド ドロップ で包括的なデータ プラットフォームを構築できます。データの大規模な取り込みや変換、自動機械学習モデルの構築、膨大な量のデータの分析まで、あらゆるものが何百万人ものビジネスアナリストにとって可能になりました。

これまでは IT 部門のプロのデータエンジニアのみが利用できた機能を、アナリストにも提供することで、価値を得る時間を短縮し、ビジネスの手に力を入れています。Power BI の集中管理、ガバナンス、そしてセキュリティ機能により、IT は常に完全な可視性と制御を持っています。このビジネスと IT のバランスは、世界最大規模の組織が Power BI で標準化を進め、高価で従来の BI 製品から脱却する理由の 1 つです。

プレビュー公開した 3 か月後の4月2日に、Power BI Premium Per Userを一般公開し、ユーザー 1 人あたり月額 20 ドルで提供します。Power BI Pro ライセンスを既に単体プランまたは Microsoft E5 で購入している場合、価格はユーザー 1 人あたり月額 10 ドルの追加価格で利用可能になります。Power BI Premium per User は、パフォーマンスの向上と TCO の削減を提供する、新しい Power BI Premium Gen2 アーキテクチャに基づいています。

また、Power BI Premium のパブリック プレビューに新機能を発表します。 このアップデートには自動スケール機能が含まれており、利用がピークに達したときに自動的に仮想コアが Premium 容量に追加され、不要になった時点で仮想コアが削除されます。 これらのコアは、Azure 従量課金制アカウントに課金できます。また、一貫性のある信頼性の高いコスト管理を提供する使用率メトリックも含まれます。

Power BI Premium と新機能についてはこちらのブログをご覧ください(英語)

Power BI の新しいセキュリティ機能

Power BI を使用すると、利用者は重要なビジネス データをクラウドに提供し、組織内のすべての個人やチームがデータを使用してより良い意思決定を行えるようにします。特に在宅勤務の環境では、データの保護と保護が非常に重要です。RLS、OLS、アクセス許可ベースのアクセスなど、データをセキュリティ保護するための従来のアプローチは必要ですが、十分ではありません。

数週間前、Microsoft Power BI の新しい強化されたセキュリティ機能を発表し、最高レベルのデータ セキュリティを確保しながら、組織全体のすべてのユーザーにデータの洞察を提供しました。新しい Microsoft Power BI セキュリティホワイトペーパーで詳述されているように、データセキュリティはもはや BI とそのデータのアクセス許可だけではないということです。むしろ、持続可能なデータ文化の創造を支援する分析の自由な流れを促進する統合データセキュリティ戦略の一部であると同時に、どこでも安全な使用を確保する必要があります。

Power BI は、世界中の政府機関や政府機関が現在利用している Microsoft Azure と同じセキュリティ スタックを活用しており、マルチレイヤーの統合モデルを使用してセキュリティを提供します。さらに、Power BI は、Microsoft 365 の既存のデータ保護ツールと統合することもできます。

この組み合わせにより、Power BIは:

  • データがセキュアにMicrosoft Cloud で保管される
  • データが利用される際に安全に提供されるようにする
  • データのガバナンスを提供する

Power Virtual Agents の新しいAI機能

Microsoft Power Virtual Agents は、データサイエンティストや開発者を必要とせずに、直感的なノーコードの画面から誰でも強力なチャットボットを作成できます。今回の Microsoft Ignite では、作成者の介入なしにボットが時間の経過とともに自動で学習し、改善することが可能になる新しいAI機能と、AIが作成者にボットを改善するための提案をする機能を提供します。

これらの改善には、ボットがユーザーの会話から自動的に学習し、自然言語の理解を向上させるAIドリブンな自然言語学習や、同じユーザーとチャットした場合、ボットが既に持っている詳細(郵便番号や住所など)をシームレスに使用して会話をよりパーソナライズできるAIドリブンなパーソナライゼーション機能が含まれます。

さらに、ボット作成者がボットとの会話に基づいて新しいトピックを発見するのに役立つ、新しいトピック提案機能を追加します。最後に、ボット作成者がトピックのトリガーを改善し、ボットの質問を頻度を減らすために役立つ AI 主導のトピック チューニング機能を追加します。

Power Virtual Agents の新しいAI機能についての詳細はこちらをご覧ください