AI Builder が Power Fx でも利用可能に、フォーム処理モデルが日本語に対応
Microsoft Power Platform は、あらゆるスキル レベルの開発者がビジネス上の課題に対する独自のソリューションを作成できる、業界をリードするローコードな開発プラットフォームです。 AIをソリューションに組み込むことで、効率性、精度、使いやすさなど、さまざまな方法で業務プロセスを改善できます。 例えば、以前のIgniteでは AI Builder が Power Automate とシームレスに連携して完全に自動化されたドキュメント処理ソリューションを作成する方法のデモンストレーションを行いました。 今回開催されたMicrosoft Ignite では、AI Builder に関する素晴らしい新機能をいくつか発表しました。 これらの新機能により、Power Platform の開発者は、ビジネスにAIを活用できるようになります。
今回発表されたのは:
- AI Builder へ独自のモデルを利用する機能の一般公開
- AI を Power Fx を用いて Power Apps で活用する(プレビュー)
- Lobe を利用した画像分類(プレビュー)
- フォーム処理モデルへの改善
- AI Builder を初めて利用する方向けの初期容量の追加
これらの機能はAI Builder の種類と対応可能な業務の種類がより豊富になります。それではどのように組織で活用できるか見てみましょう。
独自モデルを利用する (BYOM)
AI Builder で、ユーザーは自分のAIモデルを持ち込むことができるようになりました。モデル作成者は自分が作成したモデルを AI Builder に取り込み、そのモデルを Power Platform の作成者が利用できます。これらのモデルは Power Apps、Power Automate、Dataverseで利用でき、標準で搭載されているモデルと同様に利用することができます。
日々、データサイエンティストは新たなモデルを構築しています。どの言語でも、どのフレームワークでも、ツールを利用することができます。モデルはどのクラウド上でホストされていても大丈夫です。モデルが登録されれば、AI Builder 上のモデルとして表示されます。AI Builder で独自モデルを持ち込む(BYOM)ことで、組織は複雑なAIモデルを Power Platform のローコードな開発環境を用いて業務に利用することができます。BYOMにより、Power Platform の作成者はより独自で複雑な業務プロセスに対し、正確かつ効率よくミッションクリティカルな結果をもたらすことができるのです。AI Builder のBYOMより、組織内のデータサイエンティストや専門家は業務担当者とチームワークを実現し、 実務経験を基に最適な業務結果をもたらすようなソリューションを作成できるようになります。BYOMは一般公開されており、詳細はこちらから学べます。
Power Fx を用いて Power Apps 上にAIを実装可能に
今まで、Power Apps では専用の5つのAI Builder 用のコントロールを利用する場合にのみ、AIが活用できました。そのため、AI 機能の利用が制限されてしまい、16種類のうち5種類のAIモデルのみ利用できていました。
今回、Power Apps 上で今まで以上に簡単に Power Fx を用いて AI が搭載できるようになりました。この機能により、すべての事前学習されているAIモデルやカスタムAIモデルを利用することができ、アプリ上のどこでも活用できます。
2021年11月末ごろにAIモデルを Power Fx で利用できるようになる予定です。
AI Builder で Lobe を利用する
Lobe で作成したAIモデルをAI Builder で利用できるようになりました。Lobe は画像分類モデルを簡単に作れるマイクロソフトが提供する無料のアプリです。Lobeを利用するには画像を追加し、画像に対してラベルするだけで、あとは自動でカスタムの機械学習モデルを作成することができます。今回のアップデートにより、Lobeで作成したモデルをAI Builderに取り込み、Power Apps とPower Automate で利用できます。
Lobe を Power Platform で利用する機能は特定の地域の環境で2021年11月末ごろまでに展開される予定です。
フォーム処理モデルが強化し日本語にも対応
AI Builder 中で最も人気で活用されているモデルが、フォーム処理モデルです。今回の発表で、いくつかの素晴らしいアップデートが追加されました。ユーザーはチェックボックスから情報を抽出することが可能になりました。これは利用者の声により実現した新しい機能です。
さらに、テーブル認識機能が強化され、グリッドタグ機能が追加されました。これは、テーブルに対して列と行を定義することで素早くテーブルであることを認識させることができ、その結果複数のページを跨いだ場合でも認識できます。フォーム処理学習ウィザードを利用する際に、複数ページテーブルを指定することでこの機能は試験的に利用できます。この機能により複数ページをまたぐテーブルの認識が非常に簡単にかつ直感的な操作になりました。詳細はこちらからご覧いただけます。
AI Builder やフォーム処理モデルの利用が広がり、今回73言語の文書に対応し、日本語や中国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語などに対応しました。対応している言語の一覧はこちらから確認できます。また、ドキュメント自動化ツールキットがこの度一般公開となり、 AIによる 包括的な文書処理が可能になりました。
AI Builder 容量
AI Builder を始めるためには無料トライアルが必要で、実際にアプリやフローでAIを搭載するには別途AI Builder のライセンスが必要でした。
この度、Power Apps per app プランをお持ちの場合は 250クレジット分、Power Apps per user プランの場合は 500クレジット分追加されるようになりました。これらのクレジットは Power Platform 管理センターから確認でき、利用するには環境へ割り当てることその環境内で利用できます。2021年12月には、さらに設定が楽になり、特定の環境に割り当てられていないクレジットは管理者の設定なく、どの環境でも利用可能になります。
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