今回はUI flowを使うためのオンプレミスデータゲートウェイについてお話します。最近国内外問わず、この件に関するお問い合わせがあり、確かに設定がわかりにくいのでまとめてみました。エラーが発生すると、渦巻きのようなローディング画面が表示されたりして、UI flowが動かなかったりします。

私も最初はこの設定が分かりにくく、理解するまで時間がかかりましたので、なるべくわかりやすくしていきたいと思います。オンプレミスデータゲートウェイのインストール方法に関しては、こちらをご覧ください

以下の記事はインストール後に問題があった方向けの情報です。

UI flowを使うには3種類のログイン情報がある

まず、UI flowで一番引っ掛かるのが、ログイン情報が3種類あるというところです。

  • オンプレミスデータゲートウェイを実行するための「サービスアカウント」
  • オンプレミスデータゲートウェイとPower Automateをつなげる「Azure AD/Office 365アカウント」
  • コネクションを作るための「ローカルアカウント」または「ドメインアカウント」

この3つの情報を把握して、初めてUI flowが使えるようになります。では、それぞれどのように設定するかを解説していきます。

オンプレミスデータゲートウェイを実行するための「サービスアカウント」

オンプレミスデータゲートウェイをインストールすると、そのゲートウェイをパソコン(またはサーバ)起動時に自動で実行されるようにするために「サービス」として登録されます。このサービスというのは通常「サービスアカウント」というログインが既定では利用されており、Power BIで既にオンプレミスデータゲートウェイを設定されている場合は、こちらが自動で利用されていると思います。UI flowの場合、4月より使えるようになった無人型UI flowを利用するために、このログインは既定のサービスアカウントではなく、ドメインログイン(ドメイン名\アカウント名)でログインする必要があります。

「サービスの設定」から「アカウントの変更」をクリックします。

「アカウントの変更」をクリックします。

Service Accountにローカルアカウントまたはドメインアカウントとパスワードを入力します(確認方法はこの記事の下へスクロールしてください)

入力後、「構成」をクリックします。

オンプレミスデータゲートウェイとPower Automateをつなげる「Azure AD/Office 365アカウント」

オンプレミスデータゲートウェイはクラウド上にあるPower Automateと連携させるために、Azure ADまたはOffice 365のログイン情報を利用して、どのクラウドにそのオンプレミスのコンピュータをつなげるか設定します。そのため、オンプレミスデータゲートウェイのセットアップを完了したあと、以下の画面では、Azure ADまたはOffice 365のログインを入力します。

上記の設定を間違えてしまった場合は、あとで変更できます。

変更する方法

Windowsボタンから「On-premise data gateway」をクリックします。

アプリを起動後、「サインイン」をクリックします。

こちらで、Azure ADまたはOffice 365のログインを入力します。

UI flowのコネクションを作るための「ローカルアカウント」と「ドメインアカウント」

UI flowを初めて実行する際には、コネクションを作成するように求められ、以下の画面が表示されます。この設定が一番わかりにくいのですが、ここで設定するのはAzure ADまたはOffice 365のログインではなく、オンプレミスデータゲートウェイをインストールしたコンピュータのローカルアカウントまたは、ドメインアカウント情報です。

ローカルアカウントとドメインアカウントの違いですが、ローカルアカウントを利用してしまうと、そのコンピュータのデータにのみ、アクセスできます。もし、他のコンピュータ(サーバ)のフォルダにもアクセスしたりする必要がある場合は、ドメインアカウントを利用してください。

一度間違えて設定してしまった場合は、「・・・」から「新しい接続の追加」で再度設定し直してください。

ローカルアカウントとドメインアカウントの調べ方

ローカルアカウントとドメインアカウントを調べるには、以下の手順に沿って確認します。

ローカルログインの場合

コンピュータ名\ユーザー名で設定します。

コンピュータ名の調べ方は以下の通りです。

Windowsボタンから、「設定」をクリック。

「システム」を選択

「バージョン情報」を選択し、「デバイス名」に表示されているのがコンピュータ名です。

ドメインアカウントの場合

上記、ローカルアカウントと同じ手順を行い、さらに以下の手順も行います。

「システム情報」をクリック。

赤い囲いがドメインと表示されているはずです。こちらを取得してください。