いつも吉田の備忘録をご覧くださいまして、ありがとうございます。

今日はいつもの製品機能のアップデートや、発表内容とは違いますが、せっかくなので、同じスタイルで、それっぽく書いて、面白い感じで投稿しようと思います。不愉快に思ったらスルーしていただければと思います💦

「セルフマイグレーション」の背景

吉田の備忘録を2016年から始め、多くの方々に閲覧いただきました。吉田はマイクロソフト系のパートナーに在籍し、そこからEYアドバイザリーへ機能強化するべくトランスファーし、現職のマイクロソフトコーポレーションの日本リージョンへと進化してきました。

このサイトのコンテンツはDynamics 365の情報配信から始まり、Office 365、Azure、Power Platformへと広まっていき、日本リージョンの方々へ貢献できたと考えております。

私の個人的なミッションは、私の今までの背景が大きく影響しています。2020年の5月に雑誌プレジデントでも経歴は取り上げてもらえましたが、自分が今年の3月まで高卒だったということもあり、そんな高卒でも独学でITを勉強して、ITの会社に勤めることができたのは、紛れもなくコミュニティのおかげでした。そういうこともあり、自分のミッションは:

どんな背景
どんな学歴
どんな職歴
を持っている人でも、

市民開発者となって、
ITでより多くのことを日本で
達成できるようにする

と思って、活動してきました。

2018年のころからずっとロンドンヒースロー空港のサミットさんのお話を取り上げてきましたが、彼ももともとは中卒で空港のセキュリティチェック担当として10年以上勤務していた中、Power Apps に出会い、IT担当へと異動できたように、ITは人の人生を変えると心から信じています。

自分にしか出来ないこと、自分が日本人として、最大限日本の社会へ貢献できることは何か?と考えた時に、このミッションを思いつきました。そしてこのミッションは、物理的にどこに居ても、同じであり続けると考えています。

生意気だ、何様のつもりだ、と思われても仕方ない内容ですが、夢は大きく描き、そのビジョンからいま、確実にできる現実的な着地点を見つけることが大切なのだと思っています。

West USリージョンへのマイグレーション

私はWest USリージョンへのマイグレーション(渡米)をすることを発表いたします。具体的な移住日はセキュリティの観点からここでは開示できませんが、ロードマップとしては数ヶ月以内になる予定です。

このマイグレーションは私にとっても、皆さんにとっても、より多くのメリットが得られるようになります。

よりリアルタイムな情報提供

従来はタイムゾーンの関係上、なかなかリアルタイムで各製品開発メンバーとやりとりすることが困難でしたが、今回のマイグレーションにより、より密に連絡を取って、多くの情報を交換することが可能となります。

より多くのポジティブなインパクト

マイグレーションを行うことで、より多くのインパクトを提供し、世界中の市民開発者の方々をエンパワーすることができるようになります。

オンデマンドコンテンツの提供

ローカライゼーション(日本語化)したコンテンツをマイグレーション後はオンデマンドで閲覧できるよう、ライブ配信からYouTubeへとトランジション(移行)していきます。

マイグレーションの背景

2019年より、私はPower CATチームへトランスファー(異動)したことで、日本リージョンだけでなく、アメリカ、EU(チェコ、イギリス、フランス、カタール、オランダ)、APAC(シンガポール、オーストラリア)のお客様を担当することができ、より多くの情報を入手し、日本へ配信できるようになりましたが、それとは引き換えに、勤務する時間がそれぞれの国に合わせる必要が出てきたので、普段の一日が以下のような形になってきてました。

そして、ありがたいお話ではあるのですが、扱っている製品「Power Apps」は昨今のアメリカとEUでの需要が大幅に増えたことで、同じ時間でも時間を最大限に活用するにはどうするべきか?と考えると、日本に居るままでは限界を感じ、必然的にマイグレーション(移住)が必要になりました。

日本の皆さんへの感謝

私がこれまで活動できてきたのは、コミュニティの皆さんのおかげです(これは冗談抜きで)

マイクロソフトコーポレーションへ入社できたのも、Japan Azure User Groupや、PBIJPOffice 365 勉強会CogbotLogicflow-jaなどのコミュニティへ参加したことがきっかけで、このブログが生まれ、Microsoft MVPになり、Power Apps に出会うことができました。そして、入社後、支えてくれたのはTwitter や Power Apps 勉強会に参加いただいた方々、僕と一緒に登壇したり、イベントを開いたり、YouTubeで一緒に配信したりしてくれた皆さんのおかげだと思っています。これから遠く、遠く、離れてしまいますが、これからもよろしくお願いします。

素晴らしいチーム・上司・会社へ感謝

この移住は簡単なものではありませんでした。今、在籍している Power CAT チームへ応募したのは2019年の2月。その時は実はアメリカではなく、イギリスのポジションでの応募だったのですが、チームマネージャーのSaurabh(サウラブ)はすぐに面接を組んで、ぜひ採用したいと言ってくれました。ただ、イギリスは高卒だとビザが出せない、とイギリスの人事部がNGを出してしまい、急遽サウラブは日本で存在しないポジションを作ってくれて、「決まるまでは日本で活躍してくれ」と無事100%リモートワークでPower CATチームに迎え入れてくれたのです。

そこから半年経過して2020年に入り、いざビザを申請しようとなった矢先に新型コロナウイルスが発生し、トランプ元大統領の大統領令ですべての申請がストップしてしまいました。その際もサウラブは「君のできることをやってくれたらいい。遠隔でもパフォーマンスを出して仕事してくれることを信じている」と言ってくれました。他の同僚たちも、なるべく時差を考慮したりしてくれて、1万キロ離れた僕を受け入れてくれました。

2019年2月、まだ技術営業だった際に、シアトル出張時にPower CATチームへ出会った写真

最初6人だったチームも、昨年から20人に増えて、直属の上司はサウラブから同じくリモートワークで東海岸に居るMarc(マーク)へと変わったのですが、彼も素晴らしい上司で、毎週キャリアアドバイスをくれたり、自分の時差を考慮して、彼にとって朝の7時(自分は23時)でもミーティングをセッティングしてくれたりと、非常に寛大な人で、素晴らしい上司に恵まれました。

時が経つにつれ、色々とどうすれば海外移住できるかを社内で模索した結果、イギリスへの移住はあきらめることになり、アメリカで「L1-A」ビザを取得するのが一番良いという結果になりましたが、移民弁護士は「もしかしたら無理かもしれない。ダメもとでこの方法で試してみよう」というレベルで進めることになりました。というのもこのL-1Aビザも簡単に取得できるものではなく、通常、管理職でなければいけないのですが、幸い学歴には縛りはなく、2020年11月にビザを取得できました。このビザを取得するには、上司がビザの費用を負担してくれること、会社が委託する移民弁護士や、移民手続きチームがいたからこそ実現できたので、今でも頭が上がりません。

ビザが貰えた直後のサウラブとの面談で、こんなに時間がかかってしまったのに、最後まで取り消さずビザの手配まですべてやってくれたことを感謝したところ、「君のタレントだったら当然のことさ」と言ってくれて、画面越しで見えてなかったと思いますが、思わず涙が出ました。夜中の2時の面談だったので、幸いワイフにも見られていませんでした。

Power CAT チームがどんなものかは、以下の Power CAT のYoutubeをご覧ください。今では上司の上司となった、サウラブが説明してくれた動画です。

ワイフに感謝

最後に、ワイフへ感謝したいと思います。もともと結婚のときに移住について話していたとはいえ、ワイフは出張ベースでしかアメリカへ行ったことはなく、海外での生活も初めてで、それこそ昨今のアジア人に対するヘイトが問題となっているにもかかわらず寛大にこの状況を受け入れてくれて、一緒に行ってくれるのはワイフのおかげだと思っています。

ワイフ、こんな変な奴を信じて一緒についてくれてありがとう。

渡米前のコミュニティ会

新型コロナウィルスの事もあって、普通なら送別会とかもあると思いますが、厚生労働省とは違うので、バージョン見送りを有志の皆さんでやっていただけることになりました。もしご興味がありましたら、2021年4月28日に開催していただきます。

私が渡米する前に有志たちがバージョン見送り会を作ってくれました。もしよろしければ、ご参加ください。
 
イベントページ: https://connpass.com/event/207400/

FAQ(よくある質問集)

Q)移住に関してもMicrosoft系のサービスを使ったのでしょうか?
A)もちろんです。すべての移住に関する行動は、個人テナントに Microsoft Project Online を契約して、ワイフと私にタスクをアサインしながら計画を立てています。

Q)吉田の備忘録はもうアップデートされないのでしょうか?
A)いいえ、吉田の備忘録は今後もWest USリージョンへマイグレーションした後も、アップデートされていきます。

Q)コミュニティ活動はどうなるのでしょうか?
A)引き続き、日本語での発信は進めていきますが、リアルタイムでの登壇回数は減少し、YouTubeでのアップデートを増やすことがロードマップに含まれています。

Q)日本リージョンへ再度マイグレーションすることはあるのでしょうか?
A)一時的に1週間から2週間ほどフェイルオーバーすることはありますが、プライマリーリージョンはWest USとなります。

Q)アメリカではどんな仕事をするのでしょうか?
A)引き続き現在の Power CAT チームのアメリカチームとして、Power Apps、Power Automateを主に、より良い製品にしていきます。

Q)最新情報はより得やすくなるのでしょうか?
A)はい、各開発メンバーとリアルタイムでコミュニケーションが取れることで、最新情報はより素早く、シームレスに入手することが可能となります。

Q)Japan Power Apps User Groupは辞めてしまうのでしょうか?
A)いえ、JPAUGへは引き続き参加しますが、主な活動は素晴らしいMicrosoft MVPの運営メンバーがリードしていきます。

Q)アメリカへは定住するのでしょうか?
A)はい、West US リージョンへマイグレーションを終えると、他のリージョンへ移る予定は現在ロードマップにありません。

Q)アメリカ生活をYouTubeで流すみたいなことはやったりしませんか?
A)今のところロードマップにはありません。

Q)つい最近まで高卒だったのに、どうやってビザを取得したのですか?
A)私が取得したのはL1-Aというビザで、いわゆる会社間異動ビザです。このビザの場合は学歴は必須とされておらず、それよりも担当する業務内容が管理職レベルであることや最低1年異動元の会社で勤務していることが条件となります。私は報告先はマイクロソフトコーポレーションでありながら、物理的な雇用関係は税法上の理由で日本マイクロソフトと結んでおり、1年以上務めたことでL1-Aで進めることができました。H1-Bビザの場合は大卒が必要です。

Q)トランプ元大統領だったときにL1-AやH1-Bビザは停止されていたと思いますが、取得できることですか?
私の扱っている製品は、新型コロナウィルスのワクチン接種管理でも採用されており、アメリカにとって必要なもの(National Interest)に当たるということで、私のビザは大統領令該当せずとして、例外対応してもらえました。公式回答ではないため、詳細は移民手続きなどに強い弁護士等にお問い合わせください。

Q)L1-Aビザが取れるとわかっても、なぜ大学を卒業したのですか?
大学を始めた当時はまだL1-Aがあったわけではなく、もし仮にL1-Aでマイクロソフトをクビになると、すぐに失効するため、大卒をとった方がよかったですし、ずっとアメリカに居るかも分からないので、その時はイギリスや他の国でも就労ビザが取れるようにしたかったので、大学を卒業しました。