Microsoft Build 2021 キーノートまとめ
今年も始まりました、Microsoft Build 2021 ですが、引き続きオンラインでの開催となりました。このまとめでは主にSatya Nadellaが発表したもとのまとめています。(随時更新します)
はじめに
昨年は非常に大変な試練を乗り越えることができました。デジタルなファーストレスポンダーとして、全員で対応することができました。
2030年までには全世界のGDPの10%がテクノロジー市場による貢献となります。
では残りの90%はどうなのでしょう?これから先10年で行われると予想されていたデジタルトランスフォーメーションは、今、起きています。コンピューティングが生活のあらゆるところで必要とさせるなか、もはやテクノロジー業という業種自体が分野としてなくなっていくのです。そこで世界が必要とするのがTech intensityをスケール化させることです。
どの企業も最新のテクノロジーを採用するだけでなく、自ら、自分たちに特化したデジタル技術を作りあげることが必要となります。そうしなければ退化していくしかありません。その背景により、世界中で技術者の需要が急増しています。
過去数年間で、テクノロジー会社による採用よりも、非テクノロジー会社での採用が大幅に拡大しました。
自動車業界に特化して取り上げると、新規採用者数は製造エンジニアよりもソフトウェアエンジニアの採用が35%多くなりました。
あらゆる地域でテクノロジーの利活用が増えていることがわかります。
リモートワークでの開発者の求人は新型コロナ前と比較すると8倍に拡大しました。
実際のGitHubの利用者層を見ていると、学生などの教育分野における利用が大幅に増えました。
今回のMicrosoft Buiild では100以上ものアップデートを提供します。
今年は6つの「ビルド」テーマで発表します。
開発者の生産性を加速化
我々は開発者による開発者のためのツールを第一に提供する会社です。
GitHubからVisual Studioまでを包括的に提供し、すべてのアプリ、すべてのプラットフォーム上で提供することで素早くアイデアからコードに変え、コードをクラウド化することは容易になります。
皆さんが自分のペースに合わせてイノベーションを開花させるためのツールを提供したいのです。
Power Platformでは皆さんの(開発の仕事を)更に多くの人ができるようにすることで、フュージョンチーム(開発者・IT管理者・ビジネスユーザー)でコラボレーションを行い、全員一緒にアプリケーションの開発ができるようにしたいのです。今回のBuildではToyota社の例を取り上げます。
その後、世界で最も強力な自然言語モデル、GPT-3をPower Appsへ搭載しましたので、そちらについても今回のBuildでお送りします。
詳細はこちらのブログ投稿:Power Apps Ideas – AIが勝手にコードを書いてくれる新機能を発表
やりたいことを記述するだけで、GPT-3は適切な関数の候補を提案し、選べます。コードが勝手に生成されるのです。
データとAI
次にお話しするのがデータとAIについてです。
皆さんが自分の管理下でデータを保有できることが非常に重要です。そしてそれらのデータによって組織に対して付加価値を提供します。
次世代のアプリケーションは受動的なものではなく、能動的なものが求められます。データを基に、次のアクションをどのように起こせばよいか、次の洞察を提供することができるのです。
Azure SQL、Azure Synapse、PostgreSQL、Purviewなど、Azureが世界で唯一、データに制限なく、包括的にデータのガバナンスから分析までを提供するサービスです。
そしてAIにおいては様々なツールを提供することで皆さんが安全かつ安心してAIを搭載したソリューションを構築することが可能なのです。
たくさんのお客様がすでにこれらのデータとAIの機能を活用しています。
Twitter社では我々のCognitive Speech Services のキャプションサービスを利用し、Twitter Spacesにおける音声認識による分類で採用することでアクセシビリティ対応しています。
Walmart社ではCosmos DBを利用し、eコマースデータを大型連休などでも活用することで数億単位のトランザクションデータに対応しており、Cosmos DBはミッションクリティカルなアプリケーションに最適なプラットフォームとなっているのです。
今回のアップデートではこれらの分野においても新たなアップデートを発表し皆さんのアプリケーションをどのスケールでも対応させ、近代化に向けての手助けをします。
また、今回PyTorch Enterprise on Azure を発表し、データサイエンスの分野で活用されているPyTorch をより組織的に利用できるようにする機能について(今回のMicrosoft Buildで)触れます。他のクラウドサービスではまだ成し遂げていないことです。
クラウドネイティブなアプリケーション
次にクラウドネイティブなアプリケーションについてお話しましょう。
世界はより複雑になりつつあります。テクノロジーがどんどん増え、ハードウェアの種類も増えています。人によってはマルチクラウド環境を維持するコストは非常に高いものになりつつあると言われています。エッジデバイスを追加すると、更に複雑になります。
我々はこれらをよりシンプルにし、どこからでも開発できるようにしていきます。アプリの未来はどれもクラウドネイティブなものとなり、オンプレミスでも、エッジでも、マルチクラウドでも、実行できるのです。
本日我々はKubernaties上でもAzure Edge上でもどこでもAzure Application Servicesを実行できるようにすることを発表します。
つまり、クラウドでも、オンプレミスでも、エッジでも、他のクラウドでも、どこでも皆さんの構築したアプリケーションを実行できるようになるということです。
そしてAKS on Azure Stackにより、ハイブリッドクラウドの環境でも意識することなく展開することができます。数クリックでデプロイが可能となります。
未来の働き方
次に取り上げたいのが働き方についてです。働く環境はより複雑になり、従来のような基準ではなくなり、新しい働き方が求められるようになり、物理的な世界とデジタルな世界の両方を考慮する必要がでてきました。そしてプロセスも変わってきました。
そのため、Microsoft Teams に我々は力を入れています。昨年から利用者は倍増し、利用者数は1億4500万人になりました。Teams はミーティング、通話、チャット、コラボレーション、業務フローを1つの体験として提供する唯一のサービスです。これは例外なくアプリケーションの開発にも役立ちます。
Teams と Officeにより、我々は新しい分野・カテゴリーとして、「クロスデバイスコラボレーションアプリケーション」という分野を確立しました。Win32のアプリケーションがウェブアプリとなり、モバイルアプリとなったように、この次世代のクロスデバイスのコラボレーションアプリケーションは皆さんにとっての新しい機械となるのです。
ServiceNow 社ではMicrosoft Teams と連携させることでコラボレーションが行えるアプリケーションを作成し、Graph APIと連動させることでミーティングに必要な人を呼び出すボット機能を実装しました。
更にFluidコンポーネントをTeams上で実装したりすることで必要なエンドポイントへ接続することが可能となり、Teams Meetingsと連携させることでメッセージ機能を拡張させたりすることが新しい開発者ポータルによって更に容易になりました。
SaaSアプリケーションの開発
どの企業もテクノロジー企業となるにあたり、開発者にとって最大の機会は業種に特化したSaaSアプリケーションを構築することです。今回のBuildではクラウドネイティブなSaaSアプリケーションの作り方の最新情報をお送りし、他のクラウドのコンポーネントといかに組み合わさるかについてお話します。これらのSaaSアプリケーションはローコードとワークフローのプラットフォームとも連動し、アプリをサービスとして再利用したりすることが可能となります。これは皆さんの付加価値を最大化させる機会となります。
FINASTRA社ではTeams、Power Platform、Azure とMicrosoft Financial Services Cloud との組み合わせで素早く新しいアプリケーションを開発しました。
デジタルツイン・Mixed Realityとメタバース
最後にデジタルツイン・Mixed Realityとメタバースについてです。これらはファーストクラスのプラットフォームになりつつあります。これらの技術により、世界が皆さんのキャンバスとなるのです。
Azure Digital Twinsを利用することで、どの資産もモデル化させ、Azure IoTでデジタルツインを最新の状態に保つことができます。
Azure Synapseにより、デジタルツインの履歴情報を取得し、洞察を得ることで未来を予測することができます。Azureを利用することでこれらのステップを自動化させることができ、継続的に学習させることが可能なのです。
Power Platform は業界の専門家が直接これらのデジタルツインに接続し、ローコード・ノーコードで活用することができるようになります。
Microsoft MeshとHololensにより、リアルタイムなコラボレーションを実現します。
ABInBev社ではこれらの技術スタックを活用し、製造と物流を最適化しました。
サプライチェーンをすべてモデル化し、物理的な醸造所とのデジタルツインを作り、機材と材料との組み合わせを最適化させ、動的に醸造者が設定を変更することが可能です。
また、サプライチェーンとの連携により、配送時における地球温暖化ガスの排出量も監視することができます。
デジタルツインと深層学習により、ボトルネックとなっているプロセスを自動的に検出することが可能となるのです。MRを利用し、リモートでの支援を受けられるようにもしています。
Windows 10
今日様々な技術を紹介しましたが、Windows 10も重要です。すべての開発を1つの場所に集約してくれます。Linux も Windows も動作し、ハードウェアも自由に選べます。今回、過去10年でWindows の最も大きなアップデートをお送りします。
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