Azure OpenAI でGPT-3.5 / GPT-4を自前のデータとウィザードで簡単に組み合わせ可能に
この度、ChatGPTやGPT-4などのOpenAIモデルのパワーを皆さんのデータで活用できる画期的な新機能「Azure OpenAI Service on your data」のパブリックプレビューが開始されました。
この新しい機能は、データとの対話と分析の方法を変革し、より高い精度、スピード、そして価値あるインサイトを提供します。Azure OpenAI Serviceを自分のデータで活用するための機能、利用用途、データソースや次のステップについてここでは解説していきます。
皆さんのデータを最大限に活用するために
Azure OpenAI Service on your data は、OpenAIモデルをデータ上で直接実行することで、トレーニングや微調整の必要性を排除し、データの潜在能力を最大限に引き出すことを可能にします。ChatGPTとGPT-4の高度な会話AI機能により、コミュニケーションを合理化し、顧客サービスを強化し、組織全体の生産性を向上させることができます。これらのモデルは、事前に訓練された知識を活用するだけでなく、特定のデータソースにアクセスすることで、利用可能な最新の情報に基づいた応答を保証します。
主な利用用途
Azure OpenAI Service on your data は、様々な業界のビジネスに革命を起こすことができる幅広いアプリケーションを提供します。セルフサービスのデータ要求の実現や、顧客サービスの強化、収益創出の促進、B2CやB2Bのインタラクションにおける生産性の向上など、その可能性は無限大にあります。この強力なサービスは、文書の取り込みやインデックス作成などのプロセスを簡素化し、より良い意思決定のための法的洞察や財務データへの迅速なアクセスを提供します。さらに、正確なマーケティング回答のためのリソースを活用し、ソフトウェア開発や人事手続きを合理化するための力を組織に与えます。
Azure OpenAI Service on your data を活用することで、貴重な顧客インサイトを収穫し、データへのアクセスを収益化し、業界や競合他社の深いインサイトを得ることができます。生産性、収益、戦略的な意思決定への変革的な影響により、今日のペースの速い市場でビジネスを成功させることができます。マイクロソフトは、いかにお客様がこのサービスをどのように活用し、業務を変革し、顧客体験を向上させ、競争力を獲得しているかを楽しみにしています。
どのように動作しているのか?
Azure OpenAI Service on your data は、場所に関係なく、あらゆるソースからデータを取り込み、接続します。データがローカルに保存されていても、クラウドに保存されていても、シームレスな接続を提供し、その潜在能力を最大限に引き出します。高度なツールを使用すれば、データを効率的に処理、整理、最適化し、貴重な洞察を得て、その品質を向上させることができます。さらに、ユーザーフレンドリーなAPIとSDKにより、お客様の既存システムとの統合が容易になり、カスタマイズ可能なサンプルアプリを提供することで、迅速な実装を実現します。データの共有や活用が容易になり、組織内や顧客への迅速な情報配信が可能になります。
Azure OpenAI Service on your dataは、以下のような複数のソースへの接続をサポートします:
- Azure Cognitive Search インデックス: Azure Cognitive Searchインデックス:データをAzure Cognitive Searchインデックスに接続し、OpenAIモデルとのシームレスな統合を可能にします。
- Azure Blob ストレージコンテナ: データをAzure Blobストレージコンテナに接続し、Azure OpenAI Serviceを使用して分析や会話のために簡単にアクセスすることができます。
- ローカルファイル: Azure AIポータル内のファイルに接続し、データの接続に柔軟性と利便性を提供します。データをインジェストし、Azure Cognitive Searchインデックスにチャンクします。txt、md、html、Wordファイル、PowerPoint、PDFなどのファイル形式を分析・会話に活用することができます。
Azure AI Studio: チャットプレイグラウンドとデプロイのオプション
プロンプトに基づいて実験、反復、補完を生成できるノーコード環境であるチャットプレイグラウンドで、Azure OpenAI Serviceモデルの機能をぜひお試してください。チャットプレイグラウンドは、使いやすいインターフェイスを提供し、独自のアプリケーションに統合するためのPythonとcurlのコードサンプルも提供しています。
Azure AI studioから直接Webアプリをデプロイするオプションがあり、組織でアクセス可能な会話型AIプラットフォームを作成することができます。デプロイプロセスはシームレスで、名前を選択し、Webアプリに適したサブスクリプション、リソースグループ、ロケーション、料金プランを選択することができます。Webアプリは、ユーザーによるカスタマイズも可能です。APIとエンドポイントを使用して、アプリだけでなく、サービスにこの機能を統合することができます。
お客様のデータ上でのAzure OpenAI Serviceは、会話型AIとデータ解析の分野でゲームチェンジャーとなります。OpenAIモデルを自社のデータで活用することで、強力な洞察を引き出し、意思決定を改善し、組織全体の生産性を向上させることができます。Azure AI Studioのチャットプレイグラウンドを実験に利用する場合でも、Webアプリを導入して幅広いアクセスを可能にする場合でも、Azure OpenAI Service on your dataは、シームレスで効率的なソリューションを提供しています。
ステップ by ステップの使い方
ここでは、ローカルにあるファイルをアップロードして使う場合の手順をスクショ付きで作成しました。これを利用するには、あらかじめ、以下の2つのサービスをご用意ください:
- Azure Blob Storage とその中のコンテナ
- Azure Cognitive Search(吉田はお金がないので、価格レベル Basicを使っています。つけっぱなしにすると月に9000円ほどかかるので、この手順書を書き終えたら削除します)
上記2つを設定を終えたら、Azure OpenAI Studioを開きます(https://oai.azure.com/portal/)チャットから、「Add your data (preview)」 タブをクリック。「Add your data source」をクリックするとウィザードが立ち上がります。
「Azure OpenAI needs your permission to access this resource」という表示が出てくるので、「Turn On CORS」のボタンをクリックして、有効化します。これをしないと、後にアップロードしようとするとエラーになります。
ここでは「Upload files」を選び、あらかじめ作成しておいたAzure Blob StorageとAzure Cognitive Searchを選びます。Enter the index nameは適当に指定し、「I acknowledge that connecting to…」に同意します。
ファイルをドラッグアンドドロップで追加していきます。現在はテキスト、マークダウン、HTML、PDF、DocxとPowerPoint ファイルが使えます。上記でAzure Cognitive Search のFree版を選んでしまうと、50MBしかないので、あまりよい検証にはならないので、完全にはケチらず、Basic プランで少しだけケチりましょう。
ここではワシントン州の自動車運転免許のガイドの日本語版を例にしています。なぜかというと、ワシントン州公式のウェブサイトには日本語ページはないものの、親切に日本語のPDFだけは提供されているので、これは良い例なのでは?と思い試しています。
ドラッグアンドドロップでファイルを追加し、「Upload files」をクリックします。アップロードを終えると、「次へ」がクリックできます。
保存して閉じるをクリックして、出来上がり!とはいえ、インデックスが作成されるまで数十秒から数分待ちます。
実際に利用する際、「Limit responses to your data content」にチェックを入れることで、アップロードしたデータや自社のデータのみに回答内容を制限することができます。
画面右上の「Deploy to…」を押すと、そのまま Web アプリを展開することもできちゃいます。便利ですね!
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