powerapps-ga-what-is-powerapps

2016年11月1日よりDynamics 365と合わせてリリースされ、日本語にも対応したPowerAppsは、プログラミングの知識を必要とせず、視覚的な設計画面とExcelのような関数を組み合わせるだけで、簡単にアプリが作成できる、マイクロソフトの新しいサービスです。今回は、正式リリースに合わせ、PowerAppsはどのようなときに利用するのか、どのようなシーンで必要なのか、気になる価格プランや、試用版へのサインアップの方法について説明します。

PowerApps誕生までの背景

(Microsoft Ignite 2016 – セッションBRK2160の和訳)

従来、企業の業務に合わせたアプリを開発するには、専門の開発会社やコンサルティングファームを必要とし、要件定義から実運用までに長い期間を要してしまい、運用開始される頃にはすでに業務要件が変わっていたり、柔軟にエンドユーザーからの要件に合わせて対応するといったことが非常に困難でした。そこで、まずは全社に共通するシステムとしてERPが導入され、ERPでカバーしきれない業務は別のSaaSシステムを活用したりといった流れになるかと思います。

(Microsoft Ignite 2016 – セッションBRK2160の和訳)

IT管理者にとって、ここで問題になるのがSaaSアプリが複数になることで管理が煩雑になってしまう点、各サービスの更新時期が異なったり、パスワードが個別管理、セキュリティのルールもバラバラであるといった点等があげられ、エンドユーザーの視点からは見た目や操作性が統一されておらず、わかりにくい環境となり、さらに日々お客様の要望へ対応できる柔軟性が重要視され、IT管理者にとっては相反する要望が結果的に多くなり、不満がつもります。

そこでマイクロソフトが着目したのが、ERPパッケージやSaaSアプリで対応できない要望や要件をデバイスやプラットフォーム問わず、いかにシステムで解決できるか?また、それらを解決するにあたりコストや時間をかけずに導入できるソリューションが必要であることを認識し、生まれたのがPowerAppsです。

(Microsoft Ignite 2016 – セッションBRK2160の和訳)

既存のものはそのまま資産として活用し、必要な画面は専用のデザイナーで視覚的に開発。開発したものはウェブでもモバイルでも使えるという、クロスプラットフォームに対応したサービスとして誕生しました。

PowerAppsの概要

PowerAppsは主にモバイル端末またはタブレット端末、ウェブブラウザー上で利用されることが想定されており、iOS、Android向けの専用アプリが用意されています。

https://web.powerapps.com – PowerAppsサイトより)

開発方法は2つあり、ブラウザー上のデザイナー画面で開発するか、Windows 10をお使いの場合は、専用のWindowsストアアプリから開発することも可能です。いずれの開発環境でも同じアプリケーションを作成することが可能です。

「PowerApps Studio」と呼ばれる開発環境は非常に直感的で、画面に見えているものが、そのままアプリとして表示される仕組みとなっているため、開発経験がなくてもPowerPointでプレゼン資料を作成されていたり、Excelで図を利用されたことがあれば同じような操作感覚でアプリが開発できます。

集計したい項目などは、Excelライクな関数(SUM関数)を入力すれば、すぐに設定できます。

また、Excelと同じように、各関数を入力し始めると、関数を利用するにあたり必要な引数なども表示してくれるので、あまり利用したことがない関数でも設定しやすくなっています。

様々なサービスと連携

https://web.powerapps.com – PowerAppsサイトより)

PowerAppsは既存のIT資産を最大限に活用することを前提としているため、マイクロソフトのサービスはもちろんのこと、GoogleのファイルサービスGoogle Driveや、Dropbox、業務システムのDynamics 365やSalesforce、SNSのFacebookやTwitterまで、幅広いサービスと連携できるようになっています。従来であれば、Google Spreadsheetで管理していたイベントの参加者リストと、Salesforceに登録している顧客一覧をすべて同じPowerAppsのアプリを参照したりといった高度なこともできます。

価格・プラン体系

少し複雑なのが、価格とプラン体系です。最新の情報はマイクロソフトのサイトを確認する必要がありますが、主に3つのプランに分かれており、それぞれの価格が設定されています。

プラン

PowerApps for Office 365 and Dynamics 365

Office 365または、Dynamics 365を契約されている方を対象に、無償で提供されます。

Office 365の以下のプランを利用されていれば、無償でPowerAppsが利用可能です。

  • Office 365 Business Essentials
  • Office 365 Business Premium
  • Office 365 Enterprise E1
  • Office 365 Enterprise E3
  • Office 365 Enterprise E5

Dynamics 365の場合、以下のプランであれば無償でPowerAppsが利用可能です。

  • Dynamics 365 for Sales, Enterprise edition
  • Dynamics 365 for Customer Service, Enterprise edition
  • Dynamics 365 for Operations, Enterprise edition
  • Dynamics 365 for Field Service, Enterprise edition
  • Dynamics 365 for Project Service Automation, Enterprise edition
  • Dynamics 365 for Team Members, Enterprise edition
  • Dynamics 365 for Financials, Business edition
  • Dynamics 365 for Team Members, Business edition

PowerApps Plan 1

こちらはPowerApps for Office 365 and Dynamics 365の機能に加え、主に「Common Data Service」という、データを一元管理するためのデータベースの利用権限が付与されており、プレミアムコネクターと呼ばれるSalesforceなどと連携する場合にも必要なプランとなります。

PowerApps Plan 2

Plan 1の機能に加え、組織単位でのセキュリティ設定等を行うための管理機能などが含まれており、いわゆる「全部入り」のプランです。

サインアップ方法

Office 365やDynamics 365をお使いでなくても90日間利用できる試用版が用意されているので、それから試させることをお勧めします。

まず、PowerAppsの公式サイト(https://powerapps.microsoft.com/)へアクセスし、普段お使いのメールアドレスを入力します。注意点として、フリーメールアドレス(Live.com、Gmail.com、Hotmail.com、Yahoo.co.jpなど)は利用できません。

送信すると、以下のメッセージが表示されるので、メールの受信トレイを確認します。

メールでは以下のようなメッセージが届いています。「はい、私です」をクリックします。

新たなタブまたはウィンドウが立ち上がるので、名前、パスワードと国を設定したら、「開始」をクリックします。

しばらくすると、画面が切り替わり、アプリが作成できる状態になります。これでサインアップは完了です!