マイクロソフトは今までのCRM製品とERP製品を統合した、新たなクラウドサービスとしてDynamics 365を年内にリリースすることを発表しました。

以下は2016年7月6日にMicrosoft Dynamics Blogで発表された記事を和訳したものです。

 

本日は、マイクロソフトにとって、そしてお客様やパートナー様にとって記念すべき日となりました。ビジネスアプリケーションとアプリケーションプラットフォームの開発チームによるイノベーションを基に、Microsoft Dynamics 365とMicrosoft AppSourceを発表します。本日の発表は我々の将来の業務プロセスアプリケーションのビジョンを反映したものです。

業務プロセスは全てのビジネスにおいての中核です。どの業種のお客様も、ビジネスを継続し、拡大させるためにカスタマーエンゲージメントと業務プロセスをデジタルな世界へと移行しようとしています。この「デジタルな移行」はある一定の業務プロセスの柔軟性が必要であり、従来のような「独立した」ERPやCRMのアプローチとは違い、業務プロセスの統一性が求められます。

我々にはパートナーやお客様と日々お話しできる素晴らしい機会があり、これにより、製品についての改善点や他の製品との比較結果について日々学習しています。その結果我々のチームは、お客様やパートナー様、貴方から寄せられた意見の中でも上位の要望を認識し、このブログで発表したいと思います。

我々は業務プロセスの改革ができることに大いに喜んでおり、トロントで開催される次回のWorldwide Partner Conferenceではパートナー様からのご意見と、この秋にリリースされるAppSourceとDynamics 365についてのお客様からのご意見に期待を寄せております。

今持っているものとは違い、Dynamics 365は何を提供するのですか?

Microsoft Dynamics 365はCRMとERPのクラウドサービスからいいとこ取りをした、1つのクラウドサービスで提供し、財務管理、販売、顧客サービス等、主な業務プロセスをアプリとして提供します。

Dynamics 365 はインサイト、インテリジェンス、ワークフローの機能が組み込まれたアプリで、モダンかつ親和性の高い体験を提供します。拡張性と相互運用性を維持するために、共通のデータモデルと一貫性のあるアプリケーションプラットフォームが採用されています。

これらの組み合わせにより、業務プロセスを改革する、包括的なソリューションをお客様へ提供し、以下が可能となります:

  • 必要なものからはじめ、役割、業種、業務内容に合うアプリを提供し、全てのビジネスをクラウド上で運営しつつ、独自のペースで拡大できます。
  • より高い生産性を必要な場所で得ることができ、Dynamics 365による業務アプリケーションからの構造化されたワークフローと、Office 365からのコラボレーションや生産性による非構造化されたプロセスを繋ぎ合わせることで、従業員はより生産性の高いツールを業務プロセスで活用できるようになります。
  • 組み込まれた、行動がとれるインテリジェンスがビッグデータ、高度なアナリティクスとIoTから構成される業務アプリケーションによって従業員やお客様へ最適な結果で提供されます。Dynamics 365により、データやインサイトはインテリジェントなアクションへと必要な時に提供され、大勢の専門家たちが居なくても、実現できます。
  • 成長に備えましょう – 素早いかつ順応性のあるアプリケーションにより、リアルタイムで業務プロセスを作成、変更、拡張できるようになります。Power BI、PowerAppsとMicrosoft Flowにより、ユーザーたちはIT部門による支援を得ずに業務プロセスを変更し、適正化できるようになります。そして、組織は拡張性、柔軟性、一貫性のあるプラットフォームにより、ビジネスモデルを考え直すことができます。

Microsoft Dynamics 365 と命名した理由とは何か?そして何を表しているのか。

Microsoft Dynamics 365 は次世代のクラウド上の業務アプリケーションです。これらのアプリは生産性、高度なアナリティクス、Power BIとIoT、そしてAzureの力によるMicrosoftの全ての力を結集した新しいアプリケーションプラットフォームと共通のデータモデルです。そのため、この新しい名前は提供されるサービスの重要性を表しており、「業務プロセス」と「非構造化された個人の生産性」という2つの世界を合体させることでお客様がより多くのことを達成できるようにすることを意味しています。

Microsoft Dynamics 365はいくらかかりますか?

従来の業務アプリケーション業界では、お客様へ「個別の」アプリケーションとして提供してきました。Dynamics 365が今年リリースされるときには、お客様へ新たな選択肢を提供したいと思います。従来の方法と同様、Dynamics 365をアプリケーション単位(財務、バックオフィス、販売、マーケティング等)でライセンスを購入することができますが、「役割」(ロール)単位でも購入することが可能になります。この新しい役割単位での提供により、お客様のよりモダン、より素早い、より多様な役割に対応し、Dynamics 365で提供される全ての機能へアクセスできるようになります。価格体系についての詳細は、リリース日に近づいた時に共有します。

既存で持っているクラウドソリューションを再導入するか、移行する必要があるということですか?

いいえ、Microsoft Dynamics 365はDynamics CRM Onlineか、Dynamics AX Onlineからシームレスに移行できるように、明確にかつ慎重に設計されています。

Microsoft Dynamics 365 はオンプレミスでも提供されますか?

いいえ、Microsoft Dynamics 365はクラウドサービスなので、オンプレミスやプライベートクラウドでは提供されません。

これからも、継続的にDynamics CRM、Dynamics AX、NAV、GPとSLへのサポートと発明を進めていきます。我々は更にお客様へコネクターを提供することでオンプレミスとクラウドソリューションのハイブリッド環境も提供し、クラウドへの準備が整ったら移行できるようにします。

共通のデータモデルとは何で、Microsoft Dynamics 365ではどういった役割を果たしますか?

共通データモデルは、クラウド上に格納される業務データベースで、今までの企業向けのお客様との経験を基に開発されています。数百もの標準的な業務エンティティが用意され、ビジネスプロセス(Dynamics 365)と生産性(Office 365)の両方を備えます。スキーマの標準化と一貫性により、パートナー様は全ての業務プロセスを網羅した革新的なアプリケーションが開発でき、ソリューションを簡単にマイクロソフトの顧客基盤へ展開できます。

パートナーはどのプラットフォームを利用して、ソリューションを開発するべきですか?

パートナー様は日々増加しているコネクターやサードパーティー製のデータベースやアプリケーション、Power BI、PowerApps、Microsoft FlowとMicrosoft Azureを使ってDynamics 365、Office 365へと接続できるビジネスアプリケーションを作成してください。

Dynamics 365の個別のアプリを拡張するためには、CRMやAXのプラットフォームを活用した拡張フレームワークをご利用ください。

Microsoftを経由して、今後もパートナーは業務アプリケーションを販売し続けますか?

もちろんです。パートナー様は我々の主な戦略となっており、お客様が技術的投資を得られるための今までも重要な役目を果たしてきました。Microsoft Dynamics 365により、パートナー様はより多くの機会が得られ、お客様の要望へ特化し、アプリを開発することで市場の差別化を図り、新たな機会や収益として活用できます。Microsoft AppSourceはこれらのソリューションを近代的な方法で見つけ、配信できるシステムです。

Microsoft AppSourceによるお客様やISVへのメリットは何ですか?

お客様にとって、Microsoft AppSourceは業務を支援するためのMicrosoftやパートナーからのアプリを、簡単に検索・評価できるシステムです。

ISVにとって、Microsoft AppSourceはビジネスユーザーのためのSaaS アプリへのマーケットとなります。共同で機会をマーケティングし、見込み客を発見し、Microsoftの世界規模のエコシステムと販売を支援することで 開発したアプリを企業のお客様ネットワークへ向けて配信し、活用してもらいます。Azureの最先端、安全かつインテリジェントなクラウドサービスプラットフォームとツールを活用することで、差別化できるアプリをお客様へ提供します。

情報元: https://community.dynamics.com/b/msftdynamicsblog/archive/2016/07/06/insights-from-the-engineering-leaders-behind-microsoft-dynamics-365-and-microsoft-appsource