マイクロソフトは6月14日に大手ビジネス向けSNS企業「LinkedIn」を買収することを発表しました。それに伴い、米国Microsoft社の最高経営責任者であるSatya Nadella氏が全マイクロソフト従業員に対してメールを送りました。以下はMicrosoft Newsで公開されているメール内容を和訳したものです。

 

各位

本日、マイクロソフトはLinkedInの買収を発表したことについて、私はうれしく思っています。一般公開したプレゼンテーションでは、LinkedInの最高経営責任者である、Jeff Weiner氏と私が同じ将来を考えていることが見れると思います。

この取引によって、クラウドサービスで世界をリードするプロフェッショナルたちと、ネットワークで世界をリードするプロフェッショナルたちが一つになります。LinkedInについて私は時間をかけて勉強し、そして構築されているネットワークによって、いかに他のクラウドサービスとの差別化が図れるかも勉強してきました。4億3300万人ものプロフェッショナルたちがネットワークに登録されており、私にはLinkedInのチームが素晴らしいビジネスを今までに構築してきたことが、はっきりとしていました。

私が最高経営責任者になって、今回の買収が一番大きな買収となりましたが、買収についての私の全体的な考えを共有したいと思います。まず初めに私が考える点として、仮に、ある資産が我々の将来を拡大してくれるとして、この資産は我々が持つすべてのマーケットを拡大してくれるのかを問います。この資産はテクノロジーとセキュリティのトレンドの波に乗っているのか?我々の中核であるビジネスと全体的な目的が合致しているのか?と。

LinkedInについてはすべて「はい」と答えられます。両社は人々と組織へ力を与えるという共通したミッションを持っています。そして、我々のOffice 365とDynamics事業は成長しており、生産性と業務プロセスの再発明という大胆な野心の実現には非常に重要な取引です。考えてみてください:人が求職したり、スキルアップを図ったり、販売、マーケティング、仕事を成し遂げたり、成功へと導くためにはつながったプロフェッショナルな世界が必須です。それを得るためには、LinkedInがパブリックネットワークで提供しているプロフェッショナル達についての情報と、Office 365やDynamicsの情報を合わせることで実現する、活力に満ちた情報が必要です。この組み合わせにより、LinkedInのニュースフィード上で、今携わっているプロジェクトについての記事や、成し遂げようとしているタスクに対して、Office がLinkedIn上のプロフェッショナルたちと連絡することを提案してくれるといったような、新しいエクスペリエンスを得ることが可能になります。これらの経験が、より喜ばしいものになるにつれて、LinkedInとOffice 365でのエンゲージメントがより強くなります。その結果、各個人と組織のサブスクリプションやターゲット型広告により、新しい収益の機会ができることでしょう。

Jeffと私はMicrosoftの資産と規模を活用することで、LinkedInの拡大を加速させる大きな機会が得られると信じています。私がLinkedInの創業者である、Reid Hoffman氏と合併について話したところ、彼はこの機会をLinkedInにとっての「再・創立」であり、13年前に設定した会社のミッションを実現するための良い機会である言われていました。

Office 365とDynamicsに対しても目覚しい機会です。過去十年間で、Officeを生産性ツールから、どのプラットフォームやデバイスでも使用可能なクラウドサービスへと移行させてきました。この取引は、世界最大級かつ一番価値が高いプロフェッショナルネットワークと接続できるようになる、Office 365とDynamicsにとっての次の重要なステップです。プロフェッショナルたちへより生産性を提供させつつ、並行して販売、マーケティング、人材管理業務プロセスを再発明することが可能なのです。今年度に取引を完了する予定ですが、我々のチームが共同で仕事をし始めて、どのようなことを思いつくのか、見るのが待ち遠しいです。

この取引の大部分は、LinkedInの成長を加速させることです。LinkedInは今後もブランドと独自性を維持し続け、我々と似たようなカルチャーも持ち続けます。Jeffは私の下で引き続きLinkedInの最高経営責任者となり、我々の上層部の仲間になります。私がJeffにお願いしたことは、我々の全体的な成功のために、主要指標を維持しつつ、LinkedInを管理することです。それをもとに彼は何を取り込むか、何を維持するかを判断します。これからの短い期間に関しては、Microsoft側での報告先などは変わりません。このアプローチは、LinkedInのチームが集中して結果を出し、並行してOffice 365とDynamicsチームとの製品連携が取れるようにするために考慮しました。連携中は、新たなる経験をお客様へ提供すべく、共同で親密に進められる、重要なプロジェクトを選びます。Kurt DelBeneがQi LuとScott Guthrieの支援を得ながらMicrosoft側の全体的な連携を担当します。

私は今日、カリフォルニアにあるLinkedInのキャンパスに来ており、Jeff、BradとAmyと一緒に投資家への連絡を8:45 a.m. (米国西標準時間)に開始します。もし可能なら参加してください。その後、一日かけてLinkedInチームとのミーティングに入ります。明日、Microsoft従業員向けのQ&Aセッションを開きます。 – 可能なら参加してください。

LinkedInチームについて、現時点で分かったことは、我々のカルチャーと様々な要素が似ているということです。両社は各個人と全体的な成長について真剣に考え、世界へどのように変化させられるかということを深く考えながら仕事をしています。一緒になっても、それだけをやり続けるつもりです。

私が北カリフォルニアでプロフェッショナルたちに力を与える方法についてのビジョンを共有している間に、Xboxチームは南カリフォルニアでE3にて、ゲーマーたちに力を与える方法についてのビジョンを共有しているので、米国西標準時間9:30 AMから始まる E3プレスブリーフィングを見ることを私はおすすめします。

最後に、もしLinkedInを使っていないのであれば、サインアップして使って学んでみてください。

Satya

 

情報元 <http://news.microsoft.com/2016/06/13/satya-nadella-email-to-employees-on-acquisition-of-linkedin/#sm.000mx0yuh17a9d8dx69165l92zxr4>