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Dynamics NAVでは売上原価の計算方法は先入先出法、後入先出法、総平均法、個別原価法、標準原価法の5種類から選択できます。これらは、品目マスタに登録されており、製品単位で設定可能です。今回は、各計算方法について詳しく説明します。

 

売上原価概要:

一般的に、売上原価は記録し、計算することで算出されます。以下図の通り、開始残高と増加分については把握できますが、売上原価は計算方法によって変動します。


これは、時間の経過と共に在庫品の購入単価が変動するためです。そのため、売上原価の計算方法を決定するまでは、原価は不明です。

原価計算方法によって、二つの要素が影響します。

1つ目は計上時にどの仕入明細とどの売上明細が適用されるのかが変わります。適用方法についての詳細はこちらの記事から確認できます(英語のみ – 和訳予定)

2つ目は、単価計算も影響し、単価自体も総勘定元帳への計上時に使用されます。原価フローの前提については、こちらの記事から確認できます(英語のみ – 和訳予定)

忘れてはいけない点として、どの原価計算方法を使用したとしても、共通点として、在庫数量が0の場合、在庫評価額も0でなければいけません。

これから、原価計算方法の各種類について例をお見せし、どのようにDynamics NAVで処理されるかを説明します。

 

先入先出法(FIFO)

先入先出法の場合、Dynamics NAVでは一番最初に発生した売上明細から順番に計算されていきます。

 

後入先出法(LIFO)

先入先出法の真逆で後入先出法の場合は最後の明細から順番に計算していきます。

 

総平均法(Average)

総平均法を使用した場合、在庫が減少する時点での残在庫を元に総平均単価が算出され、その単価が売上原価計算に使用されます。

以下例では総在庫金額の55,000を総在庫数量350で割り、単価1,571で売上原価が計算されています。

 

標準原価法(Standard)

標準原価法の場合は、Dynamics NAVに登録された仕入伝票の単価は使用されません。代わりに、標準原価の単価がすべての在庫計上で使用されます。

 

個別原価法(Specific)

個別原価法の場合、ほかの原価計算方法とは違い、時系列での計算は行いません。この計算方法では、個々の在庫が識別/判別できる場合にのみ採用可能です。識別方法として、シリアル番号もしくはロット番号が割り当てられます。在庫を使用する都度、どの在庫を使用するかを指定する必要があります。


この記事はTotovic氏のブログ記事「Calculating COGS in NAV」の和訳です:

http://totovic.com/2016/03/16/calculating-cogs-in-nav/